西島秀俊・阿部寛の努力をフランス人監督が大絶賛!
阪神・淡路大震災から15年以上経った神戸を舞台に、それぞれの愛を求める3人の不思議なドラマを描いたフランス映画『メモリーズ・コーナー』。西島秀俊や阿部寛ら日本人キャストを起用し、日本で撮影を行ったフランス人女性監督オドレイ・フーシェに、初監督作品となる本作の撮影秘話を聞いた。西島や阿部の仕事に対する真面目な姿勢に「感激した」とフーシェ監督は大絶賛する。
カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作『ある子供』で鮮烈なデビューを飾ったデボラ・フランソワをはじめ、西島、阿部、國村隼、塩見三省、倍賞美津子など日本を代表する俳優たちが結集した、豪華なキャスティングで紡がれる本作。
2010年の真冬に神戸と淡路島で撮影され、西島、阿部との共同作業にフーシェ監督は「うわさには聞いていたけれど、日本人俳優の真面目な姿勢には本当に感動したわ。全編フランス語のセリフだったヒデ(西島)さんは、撮影前には完璧な発音でフランス語をマスター。阿部さんも当時はドラマなどの撮影で忙しかったけれど、事前に英語のセリフを勉強して、現場でも撮影後に深夜までセリフや演技の特訓をしていたわ。彼らの真摯(しんし)な姿勢に感激した」と回顧。
また、「フランス人スタッフは朝晩、あいさつのキスをしていたのだけれど、その習慣に慣れていない阿部さんが、撮影最終日にわたしにキスをしてくれたの。今までに受けたことのない紳士的なキスのあいさつで、王子様のようだった」と阿部との思い出話にも花を咲かせる。
そして、西島のフランス映画に対する知識の深さに驚愕したというフーシェ監督。「フランス人スタッフと積極的にコミュニケーションを取っていて、スタッフの一人のような感覚で撮影に参加してくれていた。デボラも“日本のお兄ちゃん”のようになついていた」と現場になじんでいた西島の様子も披露。
「倍賞さんの美しさには、フランス人スタッフが皆、惚れ込んでしまった」と称賛したフーシェ監督は、23日に東京都内で行われる初日舞台あいさつに参加するため来日。現在はハリウッドのテレビドラマシリーズの脚本を手掛けながら、自身の次回作の準備を始めている。フランスで最も将来有望な女性クリエーターとして、フーシェ監督の活躍から目が離せない。(取材・文:高松美由紀)
映画『メモリーズ・コーナー』は2月23日よりシネマート六本木ほか全国順次公開