『ムカデ人間』北村昭博の原点!幻のハリウッド監督デビュー作、日本初上映!
北海道夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013」で21日深夜、ハリウッドを中心に活動する日本人俳優・北村昭博の初監督作品『ポルノ』が日本初上映を迎えた。
映画『ムカデ人間』で注目を浴び、『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』、今春テレビ放送予定で天海祐希主演の大型時代劇「女信長」にも出演するなど、日本でも活躍の場を広げる彼が、21歳のときに発表した幻のハリウッド監督デビュー作が『ポルノ』だ。日本初上映の場に登壇した北村は「僕の青春が詰まった大事な映画。この映画がなかったら(監督第2作目の)『LAマザーファッカー』も作れなかった」と語った。
本作の舞台はロサンゼルス。北村演じるシャイでモテない主人公アキが、ブロンドで美しい白人女性サラと出会い、童貞を喪失。すっかりサラに夢中になるアキだが、性に対してオープンなサラへの戸惑いが隠せずに……という物語が展開する。本作を半自伝的要素も含まれた映画という北村は「アメリカでもいつもヘラヘラ笑っていて、ダサいヤツで本当にモテなかった。これは自分が21~2歳のときにしか撮れなかった映画だと思う」と切り出し、「童貞臭が半端ないですね。役者としても監督としても若いなと思うし、アラもあるし、観ていて痛いですよね」と照れくさそうに付け加える。
劇中のアキは「情けなさに押しつぶされそうな自分」や「誰かに愛されたいという泣きたいような思い」を赤裸々に吐き出す。「映画製作がわかっていなかったから、勢いで撮った」という北村は、ベッドシーンも含め全てをさらけ出したといい、「でないと今(役者として)ここにいないので、僕の原点なんです」とコメント。まさに身も心も裸になって生み出された作品となっている。
一方で「DVDにしたくてたまらないんです。何かのDVDの特典映像とかにならないですかね」と北村が漏らす通り、今後の上映やソフト化については未定。しかし、『ムカデ人間』などでむき出しの演技を見せてきた北村の、荒削りながらも原石の魅力が詰まった魅了的な一本といえる。(取材・文:壬生智裕)
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013」は2月25日まで北海道夕張市内各所で開催中