『ピンク・フラミンゴ』ディヴァインのドキュメンタリーが登場! - 第27回ロンドン・レズビアン&ゲイ映画祭
第27回ロンドン・レズビアン&ゲイ映画祭で、ディヴァインのドキュメンタリー映画『アイ・アム・ディヴァイン(原題) / I am Divine』が上映された。ディヴァインは1960年代から1980年代にかけて活躍したドラッグ・クイーン。今なぜディヴァインをフィーチャーしたのか、監督のジェフリー・シュワーズが語った。
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本作は、ハリス・グレン・ミルステッドという太めで女性的なところがある青年が、ジョン・ウォーターズ監督と出会ったことで、ディヴァインというキャラクターになっていく過程から始まる。頭をそって大きく眉を描き、派手なドレスに巨体を包んだディヴァインとウォーターズ監督のコンビはどんどん知名度を上げ、カルト映画『ピンク・フラミンゴ』で一躍時の人に。ディヴァインのショーやパーティーには、デヴィッド・ボウイやミック・ジャガーが顔を見せるまでになった。
グラマラスなイメージから一転、主婦の扮装(ふんそう)で出演した『ヘア・スプレー』(1988年)が大当たり。そして男性の姿のまま登場する役が決まった矢先の1988年、42歳の若さで亡くなった。心臓発作による突然の死だった。
ディヴァインのドキュメンタリーを今製作した理由としてシュワーズ監督は、自殺者が出るほどいじめの問題がアメリカで深刻化していることを挙げ「ディヴァインはまさにいじめられるキャラクターだった。そして、それを克服した。太っていることを隠さず、むしろ強調して世に出た。僕も励まされたし、子どもたちの励みにもなると思う」と説明した。
なお、『アイ・アム・ディヴァイン(原題)』はネットなどを通じて集められた募金によって製作された。ディヴァインが今なお、人々から愛されていることを証明しているといえそうだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)