内村光良&鈴木おさむ、笑いのプロ二人が描くお笑い芸人の世界とは?
売れないお笑いコンビの生きざまをリアルに描いた映画『ボクたちの交換日記』で監督を務めたウッチャンナンチャンの内村光良監督と、原作者の放送作家・鈴木おさむが、本作が映画化されるまでの経緯や、作品への思いを語った。
結成10年以上がたっても、売れる兆しの全くないお笑いコンビの夢と葛藤を描いたベストセラー小説「芸人交換日記 ~イエローハーツの物語~」を伊藤淳史、小出恵介主演で映画化した本作。プロデューサー陣から監督候補として内村監督の名が挙がった際、「内村さんに監督していただけたらそんなにうれしいことはない」と即答したという鈴木。「やはり他の方だと、お笑いの世界というものに対してリアリティーが欠けてしまうところがあると思うんです。内村さんならお笑い芸人の心情を一番わかっている人だという思いがありました」と内村監督に対して強い期待があったことを明かした。
一方、そんな鈴木の思いを受けて脚本・監督に挑んだ内村監督は、「コントの部分が一番難しくて、何度も直しました。コンテストで勝ち上がっていくのに、ネタが受けていないと説得力がなくなってしまうので」と脚本執筆の際、劇中でのコントには相当苦労したことを告白。
また劇中には、実在の若手お笑いコンビが多数出演しているが、「本当に少ししか使えなかったんですけど、ニッチェとかアルコ&ピースとか皆、ネタを全力でやってくれました」と内村監督。「3~4分のネタからほんの3秒を使うシーンでも、内村さんはお笑い芸人さんに愛情があるから、そのコンビの一番いいところを使っているんですよね」と鈴木は内村監督の一つ一つのシーンに対する熱意に感銘を受けた様子だ。
「夢」をテーマに一組のお笑いコンビの悲哀を描いた本作。「夢を追う者と諦める者、両方を描いているけれど、どちらも間違ってはいないと思います。ぜひ自分の夢と照らし合わせて観ていただければ」と内村監督が語れば、鈴木も「本当に世代によって見方が違う、全世代対応青春ムービー(笑)。桜の季節にピッタリの作品です」と原作者として太鼓判を押した。共にお笑いのプロである二人がタッグを組んで贈る本作をぜひ劇場で確認してほしい。(編集部・堀達夫)
映画『ボクたちの交換日記』は3月23日より全国公開