糸井重里、被災した動物を追ったドキュメンタリーを応援!監督の取材姿勢を称賛
東日本大震災で被災した動物と人々を描くドキュメンタリー映画『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』のプレミア先行上映会が27日に都内で行われ、上映後にコピーライターの糸井重里、宍戸大裕監督、飯田基晴プロデューサーがトークイベントを行った。
映画『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』トークイベントフォトギャラリー
本作は、動物愛護の現場や殺処分の問題に切り込んだ2009年のドキュメンタリー映画『犬と猫と人間と』を監督した飯田基晴がプロデュースし、新鋭の宍戸大裕がメガホンを取ったドキュメンタリー。東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県出身の宍戸監督が故郷に戻り、被災地で震災後の厳しい現実に向き合う人々や動物たちの姿を通して命のぬくもりを伝える。
前作を自身の主宰するウェブサイトで大きく取り上げるなど、本シリーズを熱心に応援している糸井は「飯田監督作品もそうだったけど、今回の宍戸監督の作品からも、ネガティブなウソを感じないんですよ。『オレは怒っているからこうしろ!』と言っている部分がない。撮り始めたら事実が次々にやってきて、答えが出ないのだけど映画を撮っている、という姿勢が観ていて楽にしてくれた。わからない状態のままで現地を歩いていく人の足跡を感じました」とその作風を称賛する。
また、本作では被災地に置き去りにされた犬や猫のほかにも、福島県の警戒区域内にいる牛など家畜動物の殺処分問題も捉えており、糸井はトーク中その問題について熱心に二人と語り合った。宍戸監督は「実際に殺処分をしなければならないのは福島県の職員の方ですが、現場で彼らからは『誰も好きこのんで殺しているわけではない。そのせいでおかしくなってしまう職員もいる』という話を聞きました」と現場の悲惨な状況を明かした。
最後に、宍戸監督は「あの震災の中で、『犬猫どころじゃない』という声はいろんなところで聞こえてくる。でも、そういう人たちにこそ、これだけ(動物を)思っている人たちがいるということを伝えていきたい。その役割をこの映画が果たせれば。映画を応援してください」と言葉に力を込めた。(古河優)
映画『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』は5月下旬よりユーロスペースにて公開、ほか全国順次公開