浮気癖の夫のせいで妻は神経衰弱…代わりに雇った家政婦はナイフを常備!すべて監督の家庭で起きた実話!
映画『ベスト・フレンズ・ウェディング』で注目を浴びたP・J・ホーガン監督が、新作『メンタル(原題) / Mental』について語った。
P・J・ホーガン監督映画『ベスト・フレンズ・ウェディング』写真ギャラリー
同作は、5人姉妹の母シャーリー(レベッカ・ギブニー)は浮気を繰り返す市長候補の夫バリー(アンソニー・ラパリア)のせいで精神を病み入院してしまう。バリーは、娘たちの世話をさせるため急きょ家政婦シャズ(トニ・コレット)を雇うが、短気で過去に秘密を持つシャズはひと騒動起こしてしまうというコメディー作品。ホーガン監督は映画『ミュリエルの結婚』のトニ・コレットと再タッグを組んだ。
オープニングの『サウンド・オブ・ミュージック』の曲は「あの映画は母が好きだった。このシャーリー役も母をベースにしていて全て実際に起きたことだ。母は僕が12歳の時に神経衰弱で施設に入り、父は市長選をしていた。父は、母が精神を病んでいると人に知られたら誰も自分に投票しないと僕ら兄妹に言っていた。僕らは、母が休暇を取っていることにしていたんだ」と明かした。
乳母シャズも実在するそうだ。「実際にヒッチハイクしていた女性を雇い僕らの世話をさせたが、彼女も映画のようにナイフを常備していた。僕が12歳の頃から映画を学ぶ学生だった頃まで家に居たが、僕が結婚し子どもができた頃でも短気でナイフを常備していたため彼女と距離を置き、僕自身もアメリカの仕事が増えて、お互い離れていったよ」と語った。
常に強い女性を描いてきたことについて「確かに強い女性を描いてきたが、偶然だよ。たとえば『ミュリエルの結婚』は、僕の妹と家族の体験がベースで、あの映画で女性を理解する監督と評価され『ベスト・フレンズ・ウェディング』を製作した。でも君の言う通りかも。男性を主人公にしているのは『ピーター・パン』だけだからね」と答えた。
映画は、家族崩壊の危機にさらされた家族が、家族の意味合いを理解していく過程が興味深く描かれている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)