亀梨和也「これからは自分にとって第2ステージ」主演映画『俺俺』のワールドプレミアで手応え
KAT-TUNの亀梨和也が、主演映画『俺俺』で参加したイタリアの第15回ウディネ・ファーイースト映画祭でこのほど、単独インタビューに応じた。
本作は、『転々』(2007)やドラマ「時効警察」シリーズなど、とぼけた笑いを得意とする三木聡監督の不条理劇。亀梨は「自分の勝手なイメージだけど、参加できる畑ではないと思っていたのでまさか話をいただけるとは」と三木作品への参加はうれしい誤算だったことを明かす。
亀梨にとって映画は3作目。過去2作の映画『ごくせん THE MOVIE』(2009)と『映画 妖怪人間ベム』(2012)は、いずれも日本テレビ系連続ドラマの映画化だった。両作が生まれた、土曜9時枠で培ってきた経験には自負がある。
「(イジメ問題を題材にした)『野ブタ。をプロデュース』や、北川悦吏子さん脚本のラブストーリー『たったひとつの恋』とかトライをさせてもらう環境にいるというのはやり甲斐がありました。賛否両論はあったけど、そのときの経験や時間はすべて今につながっていて、だからこそ三木監督との出会いにつながったと思います」。
そして挑んだ『俺俺』では、アイドルのイメージを覆すような全身タトゥーな「俺」におたくな「俺」など七変化ならぬ33変化を披露。何より、増殖した「俺」の出現によって自身のアイデンティティーを見つめ直す主人公・永野均の進化を、繊細な演技で表現している。
「アイドルとしての自分もいて、そこに今まで少しストレスを感じていたところもありました。でも今回はそのリミッターを振りきって三木ワールドに染まらないと、この時間は意味がない。腹をくくって(現場に)飛び込みました」
視聴者の声を感じながら制作するドラマと異なり、映画は完成後にようやく観客の反応が分かるため「ドキドキ感が違う」と亀梨はもらす。しかし、ワールドプレミアとなったウディネで得た好感触が大きな自信へとつながったようだ。
「『妖怪人間ベム』でパブリックな亀梨和也のイメージは完成できたというか、違う世界に踏み込んでも(自分の土台は)崩れないと思う。これからは自分にとって第2ステージ。フラットな気持ちで、もっとも映画の世界に参加したい」。(取材・文:中山治美)
映画『俺俺』は5月25日公開