大沢たかおとレッドカーペットに!カンヌ出発前の三池崇史監督を直撃!
15日から開催される第66回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門への出品が決定している映画『藁の楯 わらのたて』の三池崇史監督が、カンヌ入りを前に映画祭への思いを語った。
本作は、漫画「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の作者きうちかずひろが、木内一裕として発表した処女小説家を三池崇史監督が映画化したサスペンス・アクション。10億円の懸賞金がかった、藤原竜也演じる凶悪な殺人犯を移送するSPたちの奮闘と心の葛藤(かっとう)を、三池監督ならではのサスペンスルフルなタッチで描く。カンヌ映画祭では、主演の大沢たかおと共にレッドカーペットを歩く予定だ。
2011年には市川海老蔵主演の映画『一命』が、やはり同映画祭コンペ部門に選出。今回は自身にとって2度目の同部門出品となるが、受賞レースにはさほど興味がないという三池監督。「どのコンペに行っても誰よりも気楽にしているんです。賞が欲しいぞ! とかそういう気持ちで行くと取れなかったときにガッカリするでしょ? 勝負事ではありませんし、野心を達成するための道具ではないということは確かなので。僕はお客さんの一人として、このお祭りを楽しみたいと思っています」と笑顔を浮かべる。
さらに「カンヌ映画祭には、いろんな観客がいるんです。純粋に映画が好きな方、アジア映画が好きな方、自分の作品が好きな方はもちろん、セレブっぽい人たちもいるごちゃまぜの空間。そこでみんながこの映画を楽しんでくれればいいなと思っています」と付け加える三池監督。そんな監督には、カンヌ映画祭での忘れられない思い出がある。それは、2003年の映画『極道恐怖大劇場 牛頭(ごず)』が、第56回カンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品されたときのこと。「無名の俳優で作ったVシネマを、カンヌの観客は涙が出ちゃうくらい楽しんでくれたんです。日本ではVシネマってレッテルを貼られたカテゴリーだったけど、カンヌは一本の映画として心から楽しんで、評価してくれた」と感慨深げに語り、上映後の拍手はとても大きな出来事だったと振り返った。
インタビュー中、「映画ってすごい。捨てたものじゃない」と何度も口にした三池監督。今年の審査委員長は、子どもの頃に父親と初めて一緒に観た洋画『激突!』のスティーヴン・スピルバーグだ。日本映画や娯楽映画という枠を超え、カンヌの観客がどのように本作を楽しむのか。その反応に目が離せない。(編集部・森田真帆)
映画『藁の楯 わらのたて』は全国公開中