クドカン激白、「あまちゃん」と『中学生円山』が逆だったら最悪だった?
15日、映画『中学生円山』の公開を記念し、東京・有楽町スバル座で開催中の「宮藤官九郎映画祭」にて宮藤官九郎監督、向井秀徳(音楽)、伊賀大介(スタイリスト)を迎えてのトークイベントが行われ、本人を前にしながら、皆で宮藤を褒めちぎるという、クドカンワールドがここでも展開された。
イベントは宮藤本人が聞き手を務め、これまで自身が監督した3作品(『真夜中の弥次さん喜多さん』『少年メリケンサック』『中学生円山』)全てに関わっている向井と伊賀を相手に、「宮藤官九郎の世界を探る」という形で進行。宮藤から「最近褒められることに慣れてしまいましたけど、今日は僕のいるところで褒めていただければ」と向井と伊賀に注文(?)が出されてのスタートとなった。
現在、脚本を担当するNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が絶好調の宮藤。『中学生円山』ではエッチな妄想で頭がいっぱいの男子中学生が描かれるが、「『中学生円山』と逆だったら最悪でした。お茶の間で朝8時から『なめたい!』とか(笑)」と自虐的に語り、爆笑を呼ぶ。さらに、予告でもひときわ印象的なこのセリフ「なめたい!」も、実際に「予告編で使われるようにやれ! って言っていました」と、宮藤式演出法の一端を明かしていた。
そんな宮藤およびクドカンワールドについて共によく知る二人は、「カッコをつけないところが好き。真面目と不真面目のいいバランスが取れている」(向井)、「自分の脚本がすごく好きで演出を楽しんでいる。自分のために作っているけど、人が喜んでくれるのがうれしいという両面がある」(伊賀)と、それぞれ分析しつつ称賛。
褒めてほしいと自ら要求しながらも、さすがに照れた様子の宮藤だったが、「これだけド真ん中で下ネタが入っているにもかかわらず、観た後で爽やかに終われるのはわたしの品の良さじゃないか。そもそもの上品さ、エスプリが出てしまっている」と自画自賛して返し、再び笑いを呼ぶ。
最後に向井から「『パンツの穴』以来の傑作“性春”ムービー」と後押しを受け、伊賀からも「ずっと宮藤組でやっていきたい」とラブコールを送られた宮藤は、「8割ぐらい笑って2割ぐらい泣いてもらえれば」と監督第3作をPRし、イベントを締めくくった。(取材・文:長谷川亮)
映画『中学生円山』は5月18日より全国公開