『奇跡のリンゴ』がフィレンツェ映画祭で観客賞を受賞!
絶対不可能だといわれていたリンゴの無農薬栽培を成し遂げた農家・木村秋則さんの実話を阿部サダヲ主演で映画化した『奇跡のリンゴ』が現地時間25日までイタリア・フィレンツェで開催されていたフィレンツェ映画祭にて、同映画祭唯一の賞である観客賞を受賞した。
同作は、映画祭のメイン会場である「チネマ・オデオン」で上映された12作品を対象に、一般観客の投票で選ばれる観客賞を受賞。日本公開直前での快挙に阿部は「すごい!! フィレンツェ! 好き! すてきな感想ありがとうございます!! この日本映画が色んな国に伝わるといいですねぇ……でもまずは、日本から!」、妻を演じた菅野美穂は「遠く離れたフィレンツェで、賞を授けていただけたこと、本当に光栄に思います。公開まであとわずかになりましたが、残りの宣伝も頑張りたいと思います」と喜びのコメントを寄せている。
また、現地での舞台あいさつに登壇した中村義洋監督もこの受賞には大喜び。「上映中は劇場の二階に陣取り、イタリアの観客の方々の反応を見守っておりました。老若男女問わず涙を拭われているさまは、あぁ家族を思う気持ちは国が変わっても一緒なのだなあ、と胸を打たれました」と振り返った。
さらに上映後のティーチインでは「なぜあんなに俳優さんのお芝居が自然なのか?」「どういう演出をしているのか?」という質問があったことを明かし、「『この映画では日本一うまい俳優さんばかりをそろえたので演出はほとんどしていません!』と答えました。阿部さん、菅野さん、山崎(努)さん……そういった素晴らしい俳優の皆さんと、そしてスタッフのみんなに、感謝、感謝です」と感謝を述べ、喜びを分かち合った。
22日のオープニング上映の際には、阿部のコミカルな演技に大爆笑が起き、後半からラストにかけては多くの観客が涙を流すさまが見受けられた本作。中村義洋監督が登壇した上映後のティーチインは質問が殺到し、終了予定時間を大幅に超えて日付が変わっても続けられた。日本のリンゴの農家の話が、言語も価値観も違うイタリアの地でも大好評を博したという事実は、本作の魅力が普遍的であるという何よりの証拠に違いない。(編集部・福田麗)
映画『奇跡のリンゴ』は6月8日より全国東宝系にて公開