じぇじぇじぇ!これが本当の「あまちゃん」だ?めくるめく海女映画の世界!-映画秘宝
能年玲奈主演、宮藤官九郎脚本のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が現在空前の大ヒット、日本中が海女さんに注目する中、映画専門雑誌「映画秘宝」では「ちょっと待て! 海女を主人公にした映画は50年以上前から日本映画の得意技だったのだ!」と断言、あまちゃん映画の数々をその歴史と共に紹介している。
「あまちゃん映画の世界」と題した特集では、昔から「海女と尼」にはうるさかったと豪語する映画秘宝が、海女映画の魅力を徹底解説。かねてより「海女が来る」と言い続け、海女のポップな名称AMAまで考案したみうらじゅん氏が、「エロとしての海女」への思いをつづれば、中野貴雄氏が「海女は日本の国宝エロ」と持論を展開する。
ともすればエロの話題だけに傾倒しそうなところ、藤木TDC氏が海女映画の歴史を真面目に説明。その誕生から1950年代における日本映画界の海女ブーム。新東宝による海女映画路線、『007は二度死ぬ』における海女、日活ロマンポルノまで、その背景と共に丁寧に徹底解説しており、おそらくこれ以上は望めないであろう、映画における海女を語る上で見逃せない特集となっている。
もちろん日本に再び海女ブームを呼び起こした「あまちゃん」への敬意も忘れない。映画評論家の町山智浩氏は、連続テレビ小説において「芥川賞的な最高作が『カーネーション』なら、映画秘宝的な最高作は『あまちゃん』だ」と絶賛。「竹内力や哀川翔のいじり方が映画秘宝をバカにしているようで」クドカンが好きではなかったという町山氏だが、「でも、『あまちゃん』はいい!」と言い、その魅力をつづっている。
そのほか巻頭では、没後40年となるブルース・リーを徹底特集。さらに、この夏公開のホラー映画を特集した「血まみれ!真夏のスプラッター・ホラー大会!!」では、先日来日したロバート・イングランドのインタビューから、リメイク版『マニアック』における残虐シーンへのぼかし入れ問題の検証など、今月も実にブレない秘宝らしい内容となっている。(編集部・入倉功一)
映画専門雑誌「映画秘宝」8月号は発売中 洋泉社刊 1,050円(税込み)