西田敏行、お別れの会で三國連太郎さんしのぶ 気丈に涙は見せず
19日、今年4月に急性呼吸不全のため死去した俳優・三國連太郎さんのお別れの会がグランドハイアット東京で営まれ、『釣りバカ日誌』シリーズなどで共演した西田敏行が、悲痛な表情を浮かべながらも涙は見せず気丈にお別れの言葉を送った。
お別れの会で遺影を前に立った西田は、「お別れを言うこの現実が信じられません。映画のワンシーンであってくれたらと思います。紛れもない事実なのです」と、22年間“ハマちゃん”“スーさん”として過ごした三國さんへ語り掛けた。
続けて、三國さんが初出演作となった木下恵介監督の『善魔』で演じた「三國連太郎」という役名をそのまま芸名にしたことに触れて、「それ以来(本名の)佐藤政雄は髪の先からつま先まで全て三國連太郎に覆われ、視界から消えました。一度も佐藤政雄が姿を見せたことはなかったと思います」と三國の役者一筋の生涯を振り返った。
さらに、「老いたる獅子のごとく群れからそっと離れ、それまで歩んでこられた道に残った足跡をそっと自ら消し、ついて行こうとする後輩たちに、この道は三國連太郎しか歩むことのできない道であると臨んできました。あなたが歩んだ役者道は、あなただけの一本道です」と三國さんの唯一無二の役者ぶりをたたえた西田。
最後は「肉体・佐藤政雄は逝き、三國は見事に昇華しました。実に見事な生涯でした。同時代を生きた後輩として誇りに思います。誇りを胸にわたしもわたしの役者道を命尽きるまで歩んでいきたいと思いました。三國さん、本当にありがとうございました」と、感謝と共に三國さんの遺影に役者として新たな決意を語る言葉で締めくくっていた。(中村好伸)