会社にプールとサッカー場!ピクサーの恵まれた環境の秘密
大ヒット公開中のディズニー / ピクサーの最新作、映画『モンスターズ・ユニバーシティ』のプロデューサーを務めるコーリー・レイが、ピクサー・アニメーション・スタジオの恵まれた環境を明かした。米カリフォルニア州に位置するピクサーは敷地内に社屋のほか、プールやサッカー場などを備えているが、そうした“会社らしくない”環境にも理由があるのだという。
1993年に同社に入社したコーリーは『バグズ・ライフ』以降、20年にわたって同社のスタッフとして働いてきたベテラン。会社が現在の場所に移転してくる前と後の両方を知っている貴重な存在であり、今のピクサーの環境については「実際にここの建物や施設は驚くべきものです」と手放しで称賛する。
だが、そうした恵まれた環境にはもちろん理由がある。「映画製作はマラソンのようなものです。とてもストレスフルな作業なんですよ」というコーリー自身、4年以上にわたった『モンスターズ・ユニバーシティ』の製作期間中にはほとんど会社にこもりっきりだったとか。「だからこそ、会社のキャンパスは社員に休憩を取らせるような作りになっていないといけません。リラックスやリフレッシュできるようにね。わたしたちは常にクリエイティブでいる必要があるので、そういう環境が必須なのです」。
そんなピクサーの社訓は「仕事はハードに、遊びもハードに」。社員は自分のオフィスを思い思いに改造してもよいことになっているといい、禁止事項は特に無し。安全面にさえ考慮しておけば、事後報告でもいいことになっており、その最たる例が社内にある「Lucky 7」というバー。ここは隠し部屋になっており、そこでは夜な夜な社員同士が交流しているという。
「クリエイティブな作業をサポートするためにオフィスがあるのです」と断言したコーリーだったが、その一方で、ピクサーという会社の最大の魅力は恵まれた環境ではないとも明かす。「でも、本当のところ、わたしが毎日ここに来て仕事をしよう、ここに来ることを幸せだと思わせてくれるのは、ここにいる人たちです。ここにいることが幸せで、互いを楽しいと思って、一緒に仕事をすることが楽しい。だから、わたしたちは映画製作という困難をも乗り越えることができるのです」と語るコーリーの口調からは、確かにピクサーという会社に対する誇り、そして愛情がうかがえた。(編集部・福田麗)
映画『モンスターズ・ユニバーシティ』は公開中