柳楽優弥、『許されざる者』で新境地!ワイルドな変身を助けた意外なアプローチとは?
映画『許されざる者』で、渡辺謙、佐藤浩市、柄本明ら日本映画をけん引するベテラン俳優陣と共に名を連ねた柳楽優弥が、本作の役づくりについて語った。
本作で柳楽が演じているのは、渡辺ふんする主人公の釜田十兵衛と共に、女郎の顔を切り刻んだ賞金首を追う青年・沢田五郎。深い心の闇を抱えながらも、底抜けに明るい野生児を好演して新境地を切り開いた。
劇中、体重を10キロ増量したガタイのいい体に、ひげを生やし日焼けした顔で豪快に笑う柳楽は、内に秘めた役柄が多かったこれまでのイメージを一新。普段は無口で、テンションが高くなることもあまりないという柳楽に、リハーサルの際、李相日監督は「一度爆発させてみよう、AKB48の歌を大声で歌ってみて!」という仰天の指令を出したそう。「スタッフさんの前で大声で歌って踊ったら、だんだん恥ずかしさもなくなりましたね(笑)」と思いも寄らない意外なアプローチによって殻を打ち破ったことを明かした。
現場で撮影に入ってからは、李監督をはじめ、渡辺や柄本ら普段は優しい名優たちからも厳しいアドバイスを受けた。「謙さんには、『芝居のキャッチボールをする中でおまえのセリフは心に響いてこない』と言われたことがありました。ものすごくショックだったけど、そこまでちゃんと言ってくださる俳優さんはいませんから。必死になって反省して、撮影の間はとにかく五郎のことしか頭にありませんでした」と振り返った。
「台本の後ろには、先輩たちからいただいた言葉がびっしり並んでいるんです。一冊の教科書ができた感じですよ」と笑顔を浮かべた柳楽。「今は、この作品を通して、強さを身に付け、新しい引き出しを作ることができた喜びの気持ちでいっぱいです」と話した柳楽の笑顔は、役者として成長を遂げた自信に満ちあふれていた。撮影の試練の中で殻を打ち破り、これまでとはひと味違う柳楽の今後に大いに期待したい。(編集部・森田真帆)
映画『許されざる者』は9月13日より全国公開