エリック・バナが明かす英国の弁護士に挑戦した話題の新作スリラーとは?
映画『トロイ』、『ハンナ』などでおなじみのオーストラリア出身の俳優エリック・バナが、新作『クローズド・サーキット(原題) / Closed Circuit』について語った。
同作は、元恋人同士の2人の弁護士マーティン(エリック・バナ)とクラウディア(レベッカ・ホール)が、ロンドンで起きた爆破事件の容疑者の弁護を担当することになるが、事件を調査していくうちに、政府の秘められた陰謀を知ることになるというストーリー。映画『BOY A』のジョン・クローリー監督がメガホンを取っている。
エリック演じるマーティンと、クラウディアの関係について「マーティンとクラウディアの過去の秘密が、このドラマに、より緊張感を持たせている。なぜなら彼らは元恋人同士だが、判事の前ではうそをついて、彼らの過去を隠しながら弁護をしていて、観客もハラハラすることになる。とはいえ、現在の二人には全く愛情的なものはなく、あくまでフラッシュバックで二人の親密な関係が描かれているんだ」と説明した。
弁護士役の役作りについて「僕は今作の準備として、弁護するための法的制度を中心に学んだが、僕は実生活で父親がオーストラリアで裁判長をしていた女性と結婚したため、基本的な法的制度は知っていた。オーストラリアの法的制度は、米国よりも英国に近いものがある。さらに、この映画のカギとなる法的な隙間を利用した政府の陰謀についても理解していたため、今作ではあえてイギリスの弁護士の生活や仕事ぶりに焦点を置いたんだ。だから、彼ら弁護士が、いかに真剣に法服を着ているのかがわかった時は意外だったよ」と明かした。
映画内でも描かれているが、ロンドン市内に多くの監視カメラが取り付けられている現状について「もちろん、国によってその監視レベルは違うだろうが、場所によっては監視されている感じがするときがあるよね。特にホテルに滞在している時にWi-Fiに接続した際、自分のインターネットの履歴をチェックされている気がする。でも、僕らは今そんな監視されている世界に住んでいるんだ。その中でも、特にロンドンはたくさんのカメラが設置されているからね」と語るように、この監視カメラから描かれた視点が、映画内では重要な意味をもたらしていく点も注目だ。
映画は、微妙な関係にある2人の弁護士がロンドンで起きた爆破事件の真相に迫っていく展開が、スリリングに描かれている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)