渡辺謙、イーストウッドに共感…『許されざる者』オリジナル版秘話を明かす
クリント・イーストウッドが監督・主演を務めた同名映画をリメイクした『許されざる者』のジャパンプレミアが2日、東京国際フォーラムで行われ、主演の渡辺謙をはじめ、佐藤浩市、柄本明、柳楽優弥、李相日監督ら総勢11名が出席した。この日は忽那汐里、小池栄子、國村隼、滝藤賢一、小澤征悦、三浦貴大も出席した。
舞台あいさつの冒頭、渡辺はファンへ感謝の気持ちを込めて、客席後方の扉からサプライズで入場。佐藤、柄本もそれぞれ客席側の扉から登場し、4,000名のファンで埋まった会場のテンションは、一気に最高潮に。ファンにもみくちゃにされながらステージにたどり着いた渡辺は、「今日は本当にありがとうございますキャスト・スタッフ、そして何より李相日の魂を込めて作った映画です」と力強く語った。
また渡辺は、『硫黄島からの手紙』の撮影中にイーストウッドから聞いたという、オリジナル版についての逸話を披露。イーストウッドが「こんな暗い映画を一生懸命作って、誰が観るんだと思いながら毎日やっていたよ」と語っていたことを明かし、「僕らにとって、クリントはある意味神様のような人だと思っていたけれど、彼も毎日毎日迷い悩みながら(映画を)撮っているのだと聞いて、ある意味うれしく、深く感動しました」と共感を口にした。
その渡辺演じる十兵衛との対決で壮絶な戦いを披露する町の支配者・一蔵を熱演した佐藤は「暴力に特化したバイオレンスな男ですが、それをやっただけでは李監督が許してくれない。彼の中に何があるんだろうということを、語るわけではなく中に込めて演じました」と役への思いをコメント。渡辺や佐藤ら日本を代表する名優との現場で、ひと皮もふた皮もむけたという柳楽は「この組に参加できたこと、大先輩と共に過ごせたことはとてつもない財産です」と晴れやかな笑顔を見せた。
そんな日本の名優を束ねた李監督は「かかわった人の労力と、情熱がなければできなかった映画だと思っています。何度も心が折れそうになりながら、支えられてここまできました。映画の力というか、圧力、魂みたいなものを感じてくれたうれしく思います」と俳優陣に深い感謝の言葉を送っていた。(中村好伸)
映画『許されざる者』は9月13日より全国公開