ジュード・ロウの10倍返しだ!ソダーバーグ最後の劇場映画は「半沢直樹」?
先日劇場映画の監督業から引退すると表明した『トラフィック』、『オーシャンズ』シリーズなどのヒット作を世に送り出してきた巨匠・スティーヴン・ソダーバーグ監督。彼がキャリア最後と宣言する劇場映画は、ジュード・ロウ主演の復讐(ふくしゅう)劇『サイド・エフェクト』。ジュード演じる主人公の精神科医バンクスが展開する「10倍返し」の表現もピッタリな復讐劇は、その流行語を生み出した大ヒットドラマ「半沢直樹」をほうふつさせる。
ハリウッド版「半沢直樹」!?『サイド・エフェクト』フォトギャラリー
香川照之といった演技派俳優から壇蜜といった旬の俳優を配したキャラクターの濃い俳優たちも、人気の一助となっている「半沢直樹」。『サイド・エフェクト』に登場するのは、『コンテイジョン』でもソダーバーグ監督とタッグを組んだジュードのほか、オスカー女優キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、『ドラゴン・タトゥーの女』で脚光を浴びたルーニー・マーラ、全米で大ブレイク中の俳優チャニング・テイタム。ハリウッドの名優、旬の俳優が出演し、怪しいキャラクターを演じている。
ルーニー演じるエミリーはうつ病を患っており、新薬の副作用により殺人事件を引き起こしてしまう。ジュード演じるバンクスに新薬の処方を勧めたのは、キャサリン演じるエミリーの元主治医ヴィクトリア。つい先日までインサイダー取引の罪で収監されていたチャニング演じるエミリーの夫マーティンも、エミリーに新薬を継続して服用するよう勧める。新薬は彼らのわなだったのか? バンクスは副作用を起こした新薬を処方した責任を問われ、窮地に追いやられてしまう。
やがてバンクスは、独自の調査で事件の黒幕である人物を洗い出す。そして、今回の陰謀で大もうけしたであろう相手に対し、「今のうちに金を使え! 取り返されるぞ!!」と、人気ドラマ「半沢直樹」の名ゼリフ「10倍返しだ!」に匹敵する小気味いいたんかを切って宣戦布告。かくして、窮地に追い込まれたバンクスの、怒涛(どとう)の復讐(ふくしゅう)劇が始まるのである。
崖っぷちに立たされた主人公が、洞察力と粘り強さで相手に猛反撃するストーリーは、古今東西問わず万人を熱くさせる。果たして、バンクスはどのような方法で復讐(ふくしゅう)を果たそうとするのか? ジュード・ロウが体現する10倍返しの復讐(ふくしゅう)劇を、最後まできっちり見届けてもらいたい。(斉藤由紀子)
映画『サイド・エフェクト』は9月6日より全国公開