奥田瑛二、娘・安藤サクラを第1級の女優と評価 役者としての成長に目を細める
俳優の奥田瑛二が娘で女優の安藤サクラを主演に迎えた監督作『今日子と修一の場合』の外国人記者向け記者会見が18日、有楽町の日本外国特派員協会で行われ、奥田が役者としての娘の成長を語った。この日は安藤の夫で、本作のもう一人の主人公を務める柄本佑も来場予定だったが、出演を予定している舞台の稽古が長引き、欠席した。
それぞれに心の問題を抱えた男女が、東日本大震災によって帰郷できない現実にぶつかりながらも、人生をやり直そうと懸命に生きる姿を描く本作。安藤が父・奥田の監督作に出演するのは2007年の『風の外側』以来、およそ6年ぶりとなる。娘との久々の仕事に奥田は「『風の外側』のときは、彼女も本格的にデビューしたばかりでしたが、あれから6年たって、見事に第1級の女優として成長した。今回は彼女に全てを委ねようという気持ちで演出していました」と娘の成長ぶりに目を細める。
一方で、それを受けた安藤は「変わらなかったです。やはり親子だし、ほかの監督とは違います。それは多分、何度一緒にやっても、何年間が開こうとも、結局変わらないのだろうと思います。ただ、以前よりリラックスして一緒にやれるようになったかもしれません」とコメント。しかし「でもそれと同時に、女優としてというよりも、娘として、父が撮る映画の制作資金が気になるようになりました。父が映画を作る資金は家のお金なので、(一緒にいると)ここを節約すればいいのにと、フラストレーションが増えた」と付け加え、会場を笑いに包んだ。
そんな娘のコメントに頭をかいた奥田は、破産を繰り返しながらも傑作を作り続けるフランシス・フォード・コッポラ監督の名を挙げ、「うらやましいですよ」と言いながら「でもお金の使い方は(低予算・早撮りで知られる)クリント・イーストウッドを見習っています」と苦笑い。そんなほほ笑ましい親子関係に、外国人記者たちも思わず笑顔になっていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『今日子と修一の場合』は10月5日より新宿ピカデリーほかにて全国公開