高畑勲、宮崎駿の引退にコメント 自身の“最高傑作”宣言は否定
高畑勲監督14年ぶりのスタジオジブリ最新作『かぐや姫の物語』の中間報告会見が17日、都内で行われ、主人公・かぐや姫の声を務める女優の朝倉あきのほか、プロデューサーの鈴木敏夫と西村義明が出席した。会見で西村プロデューサーは、高畑監督が先日引退を表明した宮崎駿監督について、「宮さんはああいう形で区切るのが好きだから、ああいうふうにしたんでしょうけど、また(映画を)作りたくなるんだからそのときはまた作ればいいよ。これを公式コメントにしてください」と語っていたことを明かした。
本作は、高畑監督にとって1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』以来となる劇場アニメ。一部では高畑監督自ら「最後にして最高傑作になる」と語ったとされていたが、西村プロデューサーによると監督は「誰ですか? 最後で最高傑作と言ったのは。わたしは公の場で最後だと発言した覚えはないし、最高傑作だと言った覚えもない」と否定していたという。
それでも西村プロデューサーは「ただですね、高畑さん以外の全スタッフは確信しています。たぶん最後で最高傑作です」と堂々宣言。「10年後、振り返ったときに、おそらくこの作品はアニメーションの画期・エポックだといわれるでしょう。77歳の高畑勲という映画監督は、この作品で新しいアニメーションを始めようとしているのだと思っています。最後とは言いましたが、この作品が(新たな)一つの流れを生むんじゃないかという期待を持っています」と自信を見せた。
この日の会見では、約6分間にわたるプロモーション映像が初公開されたほか、朝倉に加えて高良健吾、故・地井武男さん、宮本信子、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、上川隆也、伊集院光、宇崎竜童、中村七之助、橋爪功、朝丘雪路、仲代達矢ら主要キャストも発表された。(編集部・中山雄一朗)
映画『かぐや姫の物語』は11月23日より全国公開