山田孝之はハードコアパンク俳優!ピエール&リリーが絶賛
一人のジャーナリストが正義の名の下にある殺人事件の真相を追い掛ける。そして彼は、のぞき込むべきではなかった湖の底を見てしまう……。ベストセラーノンフィクション「凶悪-ある死刑囚の告発-」(「新潮45」編集部編)を映画化した『凶悪』で主人公のジャーナリスト藤井を演じた山田孝之を、余罪と真犯人を告発する死刑囚の須藤役のピエール瀧、“先生”と呼ばれる悪のカリスマにふんしたリリー・フランキーが絶賛した。
テクノバンド「電気グルーヴ」のメンバーであり、俳優やタレントとしてマルチに活躍する瀧は、最近ではNHKの朝ドラ「あまちゃん」のすし屋の大将役で知名度が全国に広がった。一方のリリーも、イラストレーター、コラムニスト、小説家として揺るぎない地位を確立。旧知の仲である二人は、劇中で犯罪者同士として衝撃的な悪行を繰り返す。そんな魅力的なくせ者2人は、山田孝之を「ハードコアパンク俳優」と称賛。
「普段は物静かで礼儀正しいのに、役に入ると全力で真摯(しんし)。ステージでいきなりダイブできちゃうハードコアパンクバンドの人みたいだなと思いましたね」と瀧。リリーも「そう。ハードコアパンクの人って実は真面目なんだよね。山田君と一対一で対峙(たいじ)する場面では、眼力がものすごかった。押し負けないように頑張ったんですけど、目が乾いて目薬をもらいに行きました」と共演を振り返る。
二人の言葉を受けて山田は「ハードコアパンクという言葉をもらえただけで、今回、この映画に出た意味があると思っています。これからはハードコアパンク俳優として頑張ります」と静かにほほ笑んだ。(取材・文:須永貴子)
映画『凶悪』は9月21日より新宿ピカデリーほか全国公開