糖尿病告白のトム・ハンクス、体重増やす役は卒業へ「それは若い人の仕事」
現地時間9日、第57回ロンドン映画祭が開幕し、オープニングを飾った『キャプテン・フィリップス』のトム・ハンクスとポール・グリーングラス監督が会見を行った。トムは、アメリカのテレビ番組で明かした糖尿病についても語った。
本作は、ソマリア海賊の人質となったリチャード・フィリップス船長の実話を基にしたもの。グリーングラス監督は「込み入ったことがいろいろあったのを2時間にまとめた。例えば、船長が人質となるまで8、9時間かかっているのを15分にしている。そういうことはあっても、それが話の大事なところに影響しているとは思わない」と大筋では事実通りであると明かす。
フィリップス船長役のトムは、映画の終盤で、生きるか死ぬかの状況を抜けて衰弱し切った様子を迫真の演技で見せている。その素晴らしい演技にどのようにして到達したのかと問われたトムは「秘密だよ」と一言。「コカ・コーラ経営陣の記者会見があったとしよう。彼らに製法、材料の秘密を聞いたら、彼らがそれを教えてくれるのは疑いの余地もないよね」と皮肉った後に、「その瞬間がやってきたら、そこまでいくのが僕の仕事なんだよ」と名優なればこその回答をしていた。
現在57歳のトムは、先日出演したアメリカのトーク番組で、20年来の高血糖の末に2型糖尿病と診断され、役によって体重を増減させなければならなかったことが病の一因となったと告白していた。このことについてトムは「『死にそうだ』と言って騒がせたわけではないんだ。誰でもいつかは何かで死ぬということについては、皆、意見の一致するところだと思う。それが2型糖尿病とは思わない。何か別のものだろう」と語った。
仕事への影響については「ない、ない。ただ、糖尿病だというだけのことだよ」としながらも、「体重を増やすのは誰だって嫌さ。いずれにせよ、それは若い人の仕事だ。57歳で15キロも体重を増やさなきゃならない役はやらないと思う」と大幅に体重を増やすような役づくりからは卒業するつもりだと明言。「1型と違って、食べ物と運動に気を付けていればいいのだから。大丈夫」とファンを安心させることも忘れなかった。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第57回ロンドン映画祭は10月20日まで開催
映画『キャプテン・フィリップス』は11月29日より全国公開