コンペティション審査委員の判断基準が明らかに
第26回東京国際映画祭
17日、第26回東京国際映画祭のコンペティション審査委員記者会見がTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、審査委員長を務める映画監督のチェン・カイコー、審査員で女優のムン・ソリ、映画プロデューサーのクリス・ブラウン、映画監督のクリス・ワイツ、女優の寺島しのぶが出席。それぞれ作品のどこに魅力を感じるかを語った。
「作品は監督にとって鏡のようなものだと思う」というカイコー監督は、「一番僕が観たいのは、多くの個人の、独特の経験ができる作品です」と説明。「個人の経験がなければ世界の映画は進歩しないと思うし、同時に観客の共感を得ることができないといけない。そのような映画を期待しております」と作品に監督の思いや経験がどれだけ反映されているかに期待を込めた。
寺島は「わたしは人間なので、人間の多面性が表現されている映画が好きです」。もちろん、女優として役者の演技も気になるといい「観ていてわたしがこれを演じた方がいいと思うような映画は多分いい映画ではなくて、その役者さんに嫉妬するよう映画はすてきな映画なのかなって思います」と持論を展開し、笑いを誘った。
さらに、ワイツはバラエティーに富んだ作品との出会いを期待した上で、求めているのは「クリエイティビティー」と言及。「観客として観たわたしがインスピレーションをもらうということ。そして、映画を観終った後に自分がなぜ映画業界を好きなのかという気持ちをもう一度呼び起こしてくれる作品を好みます」と話した。
ソリは「観終った後にさらに踏み込んでいろいろなことを考えさせてくれる映画が好き」とし、「監督の考えや心などがどれだけ込められている作品なのか、また、より多くを感じさせてくれた作品に好感を持つと思います」と説明していた。
今年のコンペティション部門には世界93か国・地域から1,463作品がエントリー。その中から選ばれた全15作品が、最高賞の「東京 サクラ グランプリ」を競う。(取材・文:中村好伸)
第26回東京国際映画祭は10月25日まで六本木ヒルズをメイン会場に、都内各所にて開催