『まどか☆マギカ』が切り開いたオリジナルアニメの可能性!プロデューサーが語る
2011年に放送されるやいなや、その年のアニメ界の話題をさらったテレビアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」。同作では原作がない=先が読めないことを逆手に取り、“かわいい”キャラクターからは想像もつかない、シリアスで硬派なストーリーが展開し、そのギャップが熱狂的なファンを生んだ。その仕掛け人ともいえる岩上敦宏プロデューサーが、オリジナルアニメの可能性を語った。
映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』フォトギャラリー
「『まどか』の魅力って、毎週どきどきしながら観られて、『来週はどうなるんだろう?』と思わせるところだったと思うんです」とエンターテインメントの原点に立ち返った作品づくりを明かした岩上プロデューサーは、その上で「原作があると、どうしても先の展開を知っている人がいる。でもオリジナルならば、誰もその先を知らないんですよね」とオリジナル作品の長所を説く。
だからこそ、テレビシリーズのその後を描いた新作『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』でも、そうしたオリジナルならではの魅力を追求した。「(『まどか』が)かわいいキャラクターでシリアスなストーリーの作品だというのは、もうわかってしまったので……あの世界観で新たな作品をやる、ということになったときはどうしようかと思いました。ただ、テレビシリーズでは、ああいう先の読めない楽しみ方を提供できたので、それは劇場版でもやりたいと思いました。極端に言えば、登場人物が全滅してもおかしくないんです」とは岩上プロデューサーの言葉だ。
その一方で、オリジナルの難しさとしてよく挙げられるのは、どの程度の観客に受け入れられるのかが未知数であるという点。だが自身、オリジナル作品だけでなく、多くの原作付きの作品を手掛けている岩上プロデューサーは「元々のファンが付いてくることがある程度まで予想できる原作付きの作品とは違い、元々の土壌がないだけに、爆発するときは『まどか』みたいにヒットすることもあるんです。そこに魅力を感じますね」と分析してみせた。
実際、「魔法少女まどか☆マギカ」を皮切りに、2011年には「TIGER & BUNNY」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」といったオリジナルアニメが人気を博し、いわばオリジナルアニメのブームを巻き起こした。その流れの先鋒を担った「魔法少女まどか☆マギカ」の新作公開に際して、岩上プロデューサーがファンに求めるのはたった一つ。「できるだけ早く観てほしいですね。どんな物語なんだろうと、素直な気持ちで楽しんでいただければうれしいです」と呼び掛けた。(編集部・福田麗)
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』は10月26日より全国公開