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黒沢清監督、25年越しの悲願!「首長竜」シーンに隠された熱い思いとは?

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黒沢清監督 本作には、監督作史上最高の製作費がかけられた
黒沢清監督 本作には、監督作史上最高の製作費がかけられた

 佐藤健綾瀬はるかの共演が話題となった映画『リアル~完全なる首長竜の日~』のメガホンを取った黒沢清監督が、2人の人気俳優の対照的な資質と「首長竜」に隠された思いを語った。

映画『リアル~完全なる首長竜の日~』場面写真

 昏睡(こんすい)状態の患者と意思疎通ができる「センシング」という医療技術を通じて、愛する人(綾瀬)の意識に潜入する男(佐藤)の姿を描く本作。黒沢監督自身も「一筋縄ではいかない物語」と語る異色SFとなっており、2人のスター俳優に「この一筋縄ではいかない物語によくぞ出演してくれた」と賛辞を贈る。

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 そんな本作のクライマックスは、タイトルにもある首長竜が画面狭しと暴れ回るスペクタクルシーンだ。黒沢監督にとってこの場面は、25年越しの悲願だった。25年前、黒沢監督は『リング』脚本家の高橋洋と「ペットとして輸入された子どものワニガメが近所の池に放され、人の手に負えないほどにどんどん大きくなり、ついには人間に襲い掛かる」というパニック映画の企画を立ち上げた。それは成立直前までいったものの、資金面などの折り合いがつかずに頓挫。それ以来、「いつかは怪獣が襲い掛かる映像を作りたい」という思いを抱いていたのだという。

 そして2006年、韓国のポン・ジュノ監督がモンスターパニック映画『グエムル -漢江の怪物-』を発表した際には「やられた。やればできるんだよな」と悔しさをかみしめた。そこにやって来た本作のオファー。黒沢映画史上最高の製作費が掛けられることが決まり、『アバター』(2009)などで使用された最先端のCGソフトを導入。映像は約半年をかけて丁寧に製作され、ハリウッドにも負けないクオリティーの映像に仕上がった。黒沢監督も「『グエムル』には先を越されましたが、水の中から陸上にバーッと出てきて、そのまま追い掛けてくる生き物というものを、ついにやらせていただきました」と満足げな顔を見せる。

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 一つの念願をかなえた黒沢監督は、第8回ローマ国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀技術貢献賞を受賞した前田敦子主演の『Seventh Code』(日本公開未定)を監督。また「来年の春ごろをめどに、小さな作品で、人間ドラマを手掛ける予定」とさらなる新作に取り掛かっている。(取材・文:壬生智裕)

映画『リアル~完全なる首長竜の日~』DVD&ブルーレイは先行レンタル中 セル版は12月18日発売 スタンダード・エディション<1枚組> 税込み価格 DVD:3,027円 / ブルーレイ:3,990円 発売元:TBS / アミューズソフト

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