メリル・ストリープとジュリア・ロバーツを直撃、演技派俳優がそろった話題作について語る!
ハリウッドの人気女優メリル・ストリープとジュリア・ロバーツが共演した新作『オーガスト:オーセージ・カウンティー(原題) / August Osage County』について語った。
メリル・ストリープ出演映画『31年目の夫婦げんか』写真ギャラリー
同作は、父親チャールズのミステリアスな死によって、疎遠だった3人の娘、バーバラ(ジュリア)、アイビー、カレンが実家に集まるが、病弱で辛辣(しんらつ)な母親ヴァイオレット(メリル)と長女バーバラが衝突し、いつしか家族全員が不満をぶつけ合っていくというストーリー。ピューリツァー賞を受賞したトレイシー・レッツの舞台劇を、映画『カンパニー・メン』のジョン・ウェルズが映画化した。
夫の死でダメージを受け困惑する辛辣なヴァイオレットの役作りについて、メリルは「ジョン(・ウェルズ)とはE-mailしながらこの役の準備をしていったわ。わたしがこの役に興味を持ったのは、彼女が病気で薬を服用している時と、薬の服用で苦痛から解放された時が異なる点なの。撮影は、時間の経過通りに行わずに、彼女が薬を服用した時と、していない時に分けて、演じやすいように撮影してくれたわ。そのため、事前にジョンやトレイシーと話し合って、どのくらいのテンションで(それぞれ複雑なシーンを)演じるかを明確にしたの」と語る通り、感情の起伏のある難しい役をこなした。
今作に登場する3人の姉妹関係について、ジュリアは「撮影中はアイビー役のジュリアンヌ・ニコルソンとカレン役のジュリエット・ルイスとできる限りの時間を過ごしたわ。彼らと時間を共に過ごしたことで、 映画内では3人がもめる難しいシーンがあるけれど、お互いが信頼し合って、問題なくこなすことができた。まるで、実際の3人姉妹のようにさまざまなアドバイスもお互いにできたわ」と答えた。
感情的なシーンが連続するため、メリルは撮影でどのようにバランスをとったのか。「セットではたくさん食事をとったわ(笑)。この複雑な役を演じることは決して楽しい経験ではなかった。この役柄は家族に対して辛辣だから、撮影中は楽しめる感覚にはなれなかったし、惨めにも感じた。だから、その役柄から離脱するように、セットを離れて他の俳優とコンタクトを取っていたの」と精神的な苦労を語った。
映画は、まるで舞台を鑑賞しているような、演技派の俳優陣が繰り広げる演技にいつの間にか引き込まれていく秀逸な作品に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)