ケイト・ブランシェットも登場!米アカデミー賞と密接なドバイ映画祭とは?
第10回ドバイ国際映画祭
現地時間7日、アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の第10回ドバイ国際映画祭で、豪女優ケイト・ブランシェットが審査員を務めるIWCフィルムメーカーズ・アワードの授賞式が行われた。
本映画祭とスイスの高級時計メーカー・IWCシャフハウゼンの共催で行われる同賞は、アラブ諸国の若手監督を対象に、優れた短編プロジェクトをサポートするもの。昨年に続き2回目の開催で、ブランシェットは初回から審査員を務めている。
この日は最終選考に残った4プロジェクトの監督たちが招かれたが、その中から地元UAEのワリード・アリ・シャヒ監督の『ドルフィンズ(英題) / Dolphins』が同賞に選ばれ、賞金10万米ドル(約1,000万円・1ドル100円計算)が贈られた。
ブランシェットは「再びドバイに戻って来られたことをうれしく思います。そして、アラブ諸国の魅力的な才能といち早く出会えることを光栄に感じています」とあいさつ。さらに「ドバイに来るのは3度目で楽しんでいるのですが、罪悪感もあります。家に3人の子どもたちを置いて来ているもので」と付け加え、会場の笑いを誘った。
また翌8日、映画祭と同時開催されているフィルムマーケットで米アカデミー賞のディレクターであるエレン・ハリントンらによるシンポジウムが開催。その席上、本映画祭の短編コンペティション部門で優秀賞に選ばれた作品が来年の米アカデミー賞短編部門の候補作に選ばれることが発表された。
近年、本映画祭と米アカデミー賞は密接な関係にあり、昨年、本映画祭のアラブ長編コンペティション部門で最優秀作品賞と最優秀女優賞に選ばれたサウジアラビア・ドイツ合作映画『少女は自転車にのって』は来年の米アカデミー賞外国語映画賞のサウジアラビア代表に選ばれている。
また、今年のオープニングに選ばれたのは、同じく米アカデミー賞外国語映画賞のパレスチナ代表に選ばれている『オマール(原題) / Omar』。今後、アカデミー賞にアラブ勢がどこまで食い込んでいくのか、注目したい。(取材・文:中山治美)
第10回ドバイ国際映画祭は現地時間12月14日まで開催
映画『少女は自転車にのって』は12月14日より岩波ホールほか全国順次公開