小橋賢児、6年ぶり俳優復帰作にアジア平和の願いを込める
俳優の小橋賢児が21日、オーディトリウム渋谷で行われた恋愛映画『Fly Me to Minami~恋するミナミ』の初日舞台あいさつに出席し、本作で約6年ぶりに俳優復帰を果たした経緯や、作品に込めた思いを語った。
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同作は『DON'T STOP! ドント・ストップ!』で監督デビューを飾った小橋が、2006年の『日本以外全部沈没』以来の映画出演を果たしたラブストーリー。マレーシア人で日本在住のリム・カーワイ監督がメガホンを取り、アジアの混沌を思わせる大阪・ミナミを舞台に、2組の男女の恋の行方が描かれる。
本作で約6年ぶりの俳優復帰を果たした小橋は、冒頭のあいさつでそのことに触れると「全然、俳優復帰とかするつもりはなかったんです。でも、1年前にリム監督に呼び出されて『何でスケジュールが空いていないんだ』『君じゃないと困るんだ』と熱意に押されて。それで俳優復帰することになりました」と自身も予想外の出演だったことを明かした。
また、尖閣諸島や竹島問題など、同じアジア人が政治問題でもめている中、リム監督が本作に込めたメッセージに共感したことも説明。「アジアの中で僕たちはいろんな場所に住んでいて、切っても切れない縁だということを政治的なメッセージではなく、恋愛映画で描きたかった監督の意向に同意しました」と振り返った。
劇中では香港、韓国、大阪の3都市を舞台に国籍を超えた物語が展開。撮影現場でも複数の言語が飛び交ったが、言葉が通じなくてもジェスチャーやアイコンタクトなどでお互いの意志を伝えることができたといい、小橋は「日本人は言語恐怖症みたいなところもあると思うけど、言葉じゃなくて心で通じ合えることがたくさんあると思う。いろんな世界のアジアの人とつながって、お互いに文化を作って、一緒に平和な世界を作っていけたらいいなと、この映画を作って思いました」と作品に込めたメッセージも語った。
舞台あいさつには小橋のほか、日本から藤真美穂、香港からシェリーン・ウォン、韓国からペク・ソルア、さらにリム監督とシンガーポールを拠点に活動している製作総指揮の加藤順彦も出席し、国際色豊かなトークを繰り広げて会場を沸かせていた。(中村好伸)
映画『Fly Me to Minami~恋するミナミ』はオーディトリウム渋谷ほかにて公開中