ジャック・バウアーからマーティンへ!声優・小山力也、吹き替えに懸ける情熱!
大ヒット海外ドラマ「24 TWENTY FOUR」シリーズのキーファー・サザーランドが主演する最新ドラマ「TOUCH/タッチ」で、再びキーファーの吹き替えを担当した声優の小山力也が、決意も新たに挑んだジャック・バウアーならぬマーティン役に懸ける意気込みを熱く語った。
今回キーファーが演じるのは、頭脳明晰(めいせき)で肉体派のジャックと違い、11歳になる無言症の息子を抱えるシングルファーザー。視聴者にとってはジャックのイメージの強いキーファーだが、小山は役柄に合わせて声のトーンも優しくし、誰よりも息子を愛する父親が次第に自分の役割に気付き、少しずつ息子との距離を縮めていくことに喜びを感じる過程を丁寧に表現したと明かす。
これまでにもドラマ「ER 緊急救命室」のジョージ・クルーニーや、映画『フライト』のデンゼル・ワシントンなど名だたる俳優たちの声を吹き替えてきた小山。名優の声をあてるプレッシャーはあるというが、近年は素晴らしい役者の肉体と演技力と容姿、そして最高の作品を与えられたことに感謝する日々だという。一方で、常に作品と俳優に対して畏怖の念を持ちながらも、「あんた本当にかっこいい。でも悪いけど日本語のセリフは僕のものだからごめんね!」と考えるようにしているという。
昨今、タレント声優の起用に対するファンからの批判もよく聞かれる吹き替え事情。小山自身、もちろんベテランの素晴らしい声優もいると前置きをしながらも、時には「ちょっとこれはないんじゃないの?」と首をかしげることもあるのだとか。実際、声優として不動の評価を得ている小山が、大ファンだというマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレン主演の映画『ひまわり』を例に挙げ、「僕がマルチェロをやったらどうなるんでしょうね?」と言いながら見せた期待と不安がないまぜの表情が、声優業の厳しさを物語っていた。
そんな小山も「TOUCH/タッチ」に関しては自信満々の様子。「キーファー同様、自分も今回はジャックとはひと味違うマーティンを創造したので、新しい彼の魅力に触れ、共感していただけるとうれしいです」と笑顔を見せた。(取材・文:平野敦子)
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