『カッコーの巣の上で』名プロデューサー、ソウル・ゼインツさん死去
映画『カッコーの巣の上で』『イングリッシュ・ペイシェント』などを手掛けた名プロデューサー、ソウル・ゼインツさんが、3日(現地時間)にサンフランシスコの自宅でアルツハイマー病による合併症で亡くなったことが、彼の甥、ポール・ゼインツによって明らかになった。享年92歳。
ソウルさんは、1921年にユダヤ人移民の子どもとしてニュージャージー州のパセイクで生まれ、第2次世界大戦中は米陸軍に従事。退役後に音楽への情熱からノーマン・ガンツが立ち上げたジャズのコンサート企画「ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック」のツアーコンサートのマネージャーとして働き始めた。その後、1955年にはジャズレーベル、ファンタジー・レコードに勤め、同会社でクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルなどを輩出した。
その成功から映画界に携わり、期待され始めた俳優マイケル・ダグラスと、まだほぼ無名の監督だったミロス・フォアマンとタッグを組んだ『カッコーの巣の上で』がアカデミー賞作品賞を獲得。さらに『アマデウス』『存在の耐えられない軽さ』『イングリッシュ・ペイシェント』など数々の秀作を製作してきた。大作『ロード・オブ・ザ・リング』では、製作総指揮も務めていた。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)