注目株ジョナ・ヒル、20代の総決算!「こんなに好きになれない役は初めて」と苦い顔
注目の若手俳優ジョナ・ヒルが、レオナルド・ディカプリオと共演した映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』について語った。ジョナが演じたのは、ディカプリオ演じる主人公の右腕であるドニー。実在の株式ブローカーの半生を映画化した同作だが、ドニーに特定のモデルはおらず、複数の人物の特徴を一つにまとめたオリジナルキャラクターとなっている。
スーツ姿で現れたジョナは「僕はA.P.C.のような、1960~1970年代のスタイルにインスパイアされたファッションが好きなんだ。そういう格好をしていれば、20年後に写真を見たときも『何て時代遅れなんだ!』って頭を抱えなくてもいいからね」とにっこり。だが役柄の話題に移ると、「こんなに好きになれないキャラクターは初めてだった」とその笑顔がみるみるうちに消えていく。
「演じるときはいつも、そのキャラクターのどこに共感できるか、どこが僕と似ているかというのを取っ掛かりにするんだけど、ドニーは見事にそれらがなかった」と苦い顔。それでも出演を決めたのは、ディカプリオやマーティン・スコセッシといったそうそうたる面々から口説かれたことに加え、共通項を持たないドニーという役に興味をかき立てられたからだという。「僕はいろいろなことをやりたいんだ。いつも同じことはやりたくなかった」。
確かにジョナは、これまでも同じようにキャリアを切り開いていた。『スーパーバッド 童貞ウォーズ』でコメディー俳優としての地位を確立すれば、ブラッド・ピットと共演した『マネーボール』ではシリアスな演技もできることを証明し、見事アカデミー賞に初ノミネート。実際『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でも振れ幅の大きな演技を披露しており、金魚を食べるエキセントリックな演技で観客の顔をしかめさせたと思えば、ディカプリオとのドタバタ劇では笑わせ、引退を決意したディカプリオを訪れる場面ではしんみりさせる。まさにこれまでのキャリアの集大成ともいえる演技だ。
そんなジョナは、同作が全米で公開される直前、昨年12月20日に30歳の誕生日を迎えた。映画デビューからアカデミー賞ノミネートまで激動の20代を振り返ったジョナは「すごくラッキーだった。やりたかった映画に出て、尊敬している監督や俳優と仕事をすることができた。まるでいくつもの革命をくぐり抜けてきたみたいな感覚だよ」と笑う。先日には脚本も兼任した主演映画『22ジャンプストリート(原題) / 22 Jump Street』の撮影が終わり、仕事を初めて以降初めて「予定は未定」の状態だという。
「こんな解放感を味わうのは初めてのことだ。次に何をやるのがベストなのかを考えているんだけど、すごく楽しみだよ。でもまあ、もう30歳だしね。ちょっとは穏やかな生活ができるといいな」というジョナだが、先日には本作の演技でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。その売れっ子ぶりにはますます拍車が掛かると予想され、穏やかな生活はまだ当分の間、遠そうだ。(編集部・福田麗)
映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は1月31日より全国公開