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ゲイの性を題材にしたカイエ・デュ・シネマが選ぶベスト作品とは?

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アラン・ギロディ監督
アラン・ギロディ監督

 カンヌ国際映画祭のある視点部門で、監督賞を獲得したゲイの性を題材にした話題作『ストレンジャー・バイ・ザ・レイク(英題) / Stranger By The Lake』について、アラン・ギロディ監督が語った。

 本作は、ゲイのナンパ場所として知られる湖畔を訪れたフランク(ピエール・ドゥラドンシャン)は、ミシェルという男性と知り合い、自然の中でむさぼるように体を重ね合うが、湖で殺人事件が起き、彼ら二人に殺人事件の容疑がかけられていくというサスペンス。映画『キング・オブ・エスケープ』のアラン・ギロディ監督がメガホンを取った。フランスの映画雑誌カイエ・デュ・シネマで2013年のベスト作品に選ばれている。

 過去の作品よりも、人間の欲望や性を描いていることについて「過去の作品でも性を扱ったが、これほど性を通した情熱的な愛を描いた作品はなかった。情熱を描くには、シリアスな映画にせねばならず、ストーリー構成も観客が信じられるものでなければいけない。当然、セックスシーンも同じだ。特にセックスに関しては監督や俳優の間では、描くことや表現することに恐れを感じる人たちがいる。だから、僕はセックスに関して本格的にアプローチしてみたかった」と答えた。

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 全て湖畔でストーリーが展開し、音楽さえ使用されていないことについて「僕の作品はこれまで現代を舞台にしたものばかりだが、そんな映画でも時代を感じさせない映画にするため、俳優が携帯やコンピュターを使用する機会を含めない。現代の機器をできる限り扱わないようにしている。もちろん、全く現代とかけ離れた世界を作るつもりではなかったため、車の音や飛行機が飛んでいる音などは聞こえる」と答えた。そんなアプローチが俳優の演技に集中させてくれる。

 前半部分でキャラクター同士が名前で呼び合わない意図は「映画内では、フランクが湖畔で男性と出会い、ろくに名前も知らない状態でセックスする。そんな行動を、他のキャラクターが映画内でフランクに問いただすほどなんだ。ただ、この手法(名前を台詞に含めないこと)は僕の他の映画でも使用していて、名前以外でキャラクターを特徴づけることが重要なんだ」と明かした。

 ゲイ同士のセックスシーンを露骨に映像に映し出すのはスキャンダラスかもしれないが、映画は、自然の中で赴くままにセックスに没頭する姿を通して、人間の欲望を見事に描き出している。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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