石田純一、父に殴られた思い出…それでも「誇らしく思う」
俳優の石田純一が6日、スペースFS汐留で行われた映画『大統領の執事の涙』を監督したリー・ダニエルズの来日試写会に執事姿で出席し、父と息子の愛情について熱く語った。
奴隷からホワイトハウスの執事となり、ジョン・F・ケネディを含む7人のアメリカ合衆国大統領に仕えた実在の黒人執事の波乱に満ちた人生を描く本作。石田は、父親で元NHKアナウンサーだった故・石田武さんが、NHK在籍中にケネディ大統領暗殺事件の一報を日本に伝えたこともある縁で、ゲストとして出席した。
撮影中は、ずっとパジャマ姿で演出をしていたというダニエルズ監督。そこで石田は「ジャパニーズパジャマ」である浴衣をプレゼント。これには監督も「すごく感動したよ! 石田さんの執事ぶりは素晴らしい! 最高の贈り物をありがとう!」と大喜びで、「次は日本で浴衣を着ながら撮影して、石田さんを演出するのもありだよね」とご機嫌な様子で続けた。
本作は白人に仕える父に反発する、主人公と息子との関係性も大きなテーマ。「この映画は父と子のラブストーリーなんだ」と切り出したダニエルズ監督は「僕が13歳のときに亡くなった僕の父親はいつも怒りを抱えていた。白人からニガー(黒人を指す蔑称)とさげすまれたりして、マイノリティーであるという事実がのしかかっていたんだ。当時はなぜイライラしているのかわからなかったが、この映画を通じて許すことができた。その怒りを理解することができたからだ」と父親への思いをコメント。
それを聞いた石田は「息子が大人になっていく過程で親を拒絶し、超えていくところがあるので、かなり胸にしみます」としみじみ。イベント後には、1歳の息子・理汰郎くんとの関係を尋ねられ「10年も経てば息子も反抗期。今から覚悟はしています。でも、親は子どもたちに遠慮することなく向き合って、ぶつかればわかってくれるはず」と返答。さらに自身の父親との関係を「大正の男ですから、すぐにバコンと殴られましたしおっかなかった。父には逆らえなかったですよ」と振り返りつつ、東京オリンピックの中継なども行っていたという父を思い「誇らしく思います」と笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『大統領の執事の涙』は2月15日より全国公開