日本の若者も政治に関心を…「特定秘密保護法」反対デモ参加の女子学生が訴え
昨年12月に強行採決された「特定秘密保護法」反対を掲げ、高校生・大学生で運営された「U-20デモ実行委員会」のメンバー4人(長島可純さん、柴野風花さん、あちゃこさん、カモミールさん)とジャーナリストの工藤律子が25日、都内で行われた映画『怒れ!憤れ!-ステファン・エセルの遺言-』特別上映会&トークショーに出席し、若者が政治参加しにくい現状について語り合った。
映画『怒れ!憤れ!-ステファン・エセルの遺言-』フォトギャラリー
若者たちに「無関心はいけない。世の中の不正義に目をつぶるな。怒りを持って行動せよ」と訴えかけ、ヨーロッパの民衆運動や民主化運動「アラブの春」などに影響を与えた元レジスタンス闘士、ステファン・エセルの著書を、トニー・ガトリフ監督が映像化した本作。スペインの若者たちによるデモを背景に、エセルのメッセージが次々とスクリーンに映し出される。
映画について「去年の秘密保護法反対デモを思い出しました。もちろん規模は違いますけど、(映画では)デモをやっている人が生き生きしていたことが印象に残っています」と切り出した長島さん。また福島出身のカモミールさんは「本作の主人公は(移民の少女ということで)差別を受けるが、わたしも福島県出身ということで気持ちが重なる部分があって、そういう悔しさがある。だから抵抗することをやめてはならないと強く思いました」と付け加える。
トーク中には司会者が「日本の若者の間では、政治的なことについて語ることが一般的になっていないが」と4人に問い掛ける一幕も。これに柴野さんは、デモ参加情報をつぶやいていたツイッターアカウントを教師が見つけ、声を掛けられたこともあったと述懐。しかし「でもこれは逆にチャンスだなと思って。良い意味で大人にも訴え掛けられたらと思っています」とポジティブに考えている様子。
それを受けた工藤は「スペインでは、ファシズムに耐えた後の1975年に民主化を成し遂げたので、自分たちの権利を主張するのは当たり前だと思っている。日本でも権利を主張することが当たり前に言い合える世の中でなければ」と提言。それを受けたあちゃこさんは「頑張ります!」と力強く宣言し、会場からの大きな拍手を受けていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『怒れ!憤れ!-ステファン・エセルの遺言-』は3月1日より新宿K's cinemaほかにて公開