UA&村上淳の息子・虹郎が俳優デビュー 実親子で父子役
俳優・村上淳と歌手UA元夫妻の息子・村上虹郎(16)が、河瀬直美監督の最新作『2つ目の窓』で映画初出演し、俳優デビューを果たしたことが明らかになった。虹郎は女優・吉永淳と共に主演を務め、実父・淳とは親子を演じている。
映画『2つ目の窓』は、島に暮らす16歳の少年・界人(村上虹郎)と少女・杏子(吉永淳)や彼らを取り巻く大人たちの姿を通して生命や死を見つめる神秘的な人間ドラマ。虹郎と吉永はオーディションで主演に抜てきされ、村上淳と渡辺真起子が少年の、杉本哲太と松田美由紀が少女の両親にふんしている。
映画初出演にして主演を務め、昨年のカンヌ国際映画祭で日本人監督として初めてコンペティション部門の審査員に選出された世界的映画監督・河瀬直美の新作で俳優デビューを飾った虹郎。河瀬監督から「映画、やりますか」と声を掛けられ、主演に選ばれたときはうれしさと同時にプレッシャーがあったという。
それでも「たったの数週間、数か月という短時間の中でほとんど初めて会った人達と一つの人生を生きる」撮影には充実感たっぷり。一方、オーディションに全力で挑んだ吉永は、『リアル鬼ごっこ2』(2010)で映画デビュー後、さまざまな作品で演技経験を積んできた。それでも「主演であることに対して、『本当に、わたしでいいのかな』という思い」を抱いたが、「監督に選んでいただいたからには、わたしのできる精いっぱいのことをしよう」と心に決め、役に挑んだ。
河瀬監督は二人の起用理由について、ロケ地である奄美大島の自然に負けない存在感を挙げ「目、たたずまい、声、肌の色、海で泳ぐ姿……演技経験の有無に関わらず、そんな彼らの持つ質感を重要視しました」と説明。「思っていた以上にその質感は奄美の自然と対峙し、得も言われぬ存在感として映画に定着しました」と手ごたえをのぞかせている。『2つ目の窓』は4月に完成予定。今夏に全国公開される。(編集部・小松芙未)