『風立ちぬ』がTAAF「アニメ オブ ザ イヤー」グランプリ!庵野秀明が声優賞
22日、「東京アニメアワードフェスティバル 2014」授賞式が東京ビッグサイトで行われ、「アニメ オブ ザ イヤー部門」のグランプリを、劇場映画部門で宮崎駿監督の『風立ちぬ』が、テレビ部門で荒木哲郎監督の「進撃の巨人」がそれぞれ獲得した。また、声優賞を『風立ちぬ』の庵野秀明が受賞している。
「アニメ オブ ザ イヤー部門」は、この1年間に日本国内で上映・放送された全作品を対象に、多くのファンを魅了し、後世に受け継がれるべきだと判断された作品、ならびに個人を表彰する部門。今年の劇場映画部門には『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』などがノミネートされていたが、宮崎監督の『風立ちぬ』に軍配が上がった。
また、アニメ産業・文化の発展に大きく貢献した人を顕彰する「アニメ功労賞」の原作部門を、「デビルマン」「マジンガーZ」の永井豪が受賞。壇上で永井は「これまで50本以上の漫画の原作をアニメに提供してまいりましたが、これは、ひとえに自分の作品を愛してくださったアニメ関係者の方のご尽力のおかげ。本当にうれしく思っています」と感謝。
続けて「本業は漫画家ですが、アニメに関わるときはいつも本業のつもりで真剣に取り組んでまいりました」と明かすと、「30年くらい前からですが、海外のいろいろな(漫画・アニメ関係の)イベントにも積極的に参加するようにもなり、これはお世話になった関係者へ方々への恩返しのつもりで取り組んでいます」と自身の取り組みについても語っていた。
また、同賞の作曲家部門では、手塚治虫さんが手掛けたアニメ「ジャングル大帝」「リボンの騎士」などの音楽を担当した冨田勲が受賞。この日、冨田は欠席だったが、コメントを寄せると、その中で「82歳でまだまだ現役、新作も用意している」と健在をアピール。自身の代表作の「展覧会の絵」などの作品についても、「アニメーションでの仕事の影響が大きく、原点になっている」と述べ、「特に手塚アニメの影響は大きかった」と明かしていた。(取材・文 名鹿祥史)
受賞結果は以下の通り
○アニメ功労賞
■音響・音響効果
伊藤克己
■声優
大塚周夫
■アニメーター
金田伊功
■プロダクション設立者
久保進
■脚本家
城山昇
■プロデューサー
忠隈昌
■作曲家
冨田勲
■原作者
永井豪
■人形アニメーター
眞賀理文子
■監督
矢吹公郎
○特別賞アニメドール
高畑勲、アンパンマン
○コンペティション部門
■企業部門HERO'S賞
『キツネと小鳥』 エヴァン・デルーシェ
■企業部門KLab賞
『Anomalies』 和田淳
■企業部門DLE賞
『チーム・スピリット』 ルイーズ・カリーゼ
■短編コンペティション優秀賞
『ベティズ・ブルース』 レミ・ヴァンデニット
『Airy Me』 久野遥子
■長編コンペティション優秀賞
『アーネストとセレスティーヌ』 パンジャマン・レネール、ヴァンサン・パタール、ステファン・オビエ
■短編コンペティション グランプリ
『妻の手紙』 オーギュスト・ザノヴェッロ
■長編コンペティション
『コングレス』 アリ・フォルマン
○アニメ オブ ザ イヤー部門 個人部門
■監督賞
荒木哲郎
■アニメーター賞
高坂希太郎
■キャラクターデザイン・メカデザイン賞
すしお
■美術監督賞
武重洋二
■声優賞
庵野秀明
■音楽賞
澤野弘之
■アニメファン賞
「ダンボール戦機WARS」
■ 劇場映画部門優秀賞
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』 新房昭之
■テレビ部門 優秀賞
「宇宙兄弟」 渡辺歩
■劇場映画部門 グランプリ
『風立ちぬ』 宮崎駿
■テレビ部門 グランプリ
「進撃の巨人」 荒木哲郎