監督と主演俳優に聞く、話題作『ザ・レイド GOKUDO』とは?
世界中のアクションファンを熱狂させたインドネシア映画『ザ・レイド』の続編『ザ・レイド GOKUDO』について、ギャレス・エヴァンス監督、イコ・ウワイス、ジュリー・エステルが語った。
本作は、前作でマフィアとの死闘を繰り広げた警官ラマ(イコ)が、今度は腐敗した警察組織、インドネシアマフィア、日本ヤクザの抗争に巻き込まれていくというもの。ジュリー・エステルはインドネシアマフィアのハンマーガール役を演じ、ギャレス監督が再びメガホンを取った。日本からも松田龍平、遠藤憲一、北村一輝らが日本のヤクザとして出演している。
主人公ラマが戦う武術、シラット(東南アジアで盛んな武術)とは「シラットの動きは川が流れているようだが 、その川の中には石のような破壊力が含まれている。つまりバレエのような動きの中で、肘だけでもすごい衝撃を与えることもできる。さらにシラットは、一対一の至近距離での対決や広い場所で大勢に囲まれた対決でも、どんな環境でも使いやすく、逃げたりしながら戦う時でさえも、対応しやすい武術だ。ある意味、映画には向いている武術だと思う」とギャレスが明かした。
武術経験が全くなかった紅一点のジュリーは「ハンマーガール役を演じるうえで、約半年トレーニングをしたの。もともとわたしはスポーツウーマンではなかったから、身体的に辛かった。撮影中は、わたしの武術に関して主演のイコを含め、かなりみんな辛抱強く我慢してくれていた。周りがポジティブなエネルギーを保ってくれていたからやりやすかったわ。だから、今でもあの派手なアクションをわたしがこなしたとは思えないの」と満足げに語った。
キッチンでのラマと強敵“ザ・アサシン”のクライマックスシーンについて「この“ザ・アサシン”を演じたチェチェップ・アリフ・ラーマンは、シラットの世界ではかなり知られた人物で、世界中でシラットのパフォーマンスを行っている。チェチェップとイコはお互い尊敬し合っていて、彼らのスキルは同レベルでマッチしている。この戦いは6~7分間あるが、最初はチェスのようにお互いが試し合い、徐々に複雑で困難な動きを含め、最終的にはより残虐でアグレッシブな動きになった」と英語が話せないイコの言葉を、ギャレスが自身の言葉を付け加えながら通訳した。
映画は、前作を超えたアクションが最後まで息もつかせぬ勢いで展開されている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)