ジェフ・ゴールドブラムとウィレム・デフォーが語るウェス・アンダーソン監督の新作とは?
ウェス・アンダーソン監督が手掛けた話題作『グランド・ブダペスト・ホテル』について、演技派俳優ジェフ・ゴールドブラム、ウィレム・デフォーが語った。
本作は、一流ホテルのグランド・ブダペスト・ホテルのコンシェルジュ、グスタヴ・H(レイフ・ファインズ)が、常連客マダムD(ティルダ・スウィントン)と関係を持つが、彼女の殺人事件と遺産争いに巻き込まれ、彼を慕うベルボーイのゼロ・ムスタファ(トニー・レヴォロリ)と共に、自らの誇りとホテルの威信を守るため奔走するドラマ。ウィレムはマダムDの遺族ジョプリングを演じ、ジェフはマダムDの遺産管理代理人コヴァックスを演じた。
事前の衣装合わせが、コヴァックスを演じるうえで役立ったと語るジェフは「これまでウェスとタッグを組んできた衣装のミレーナ・カノネロが、脚本を通して衣装デザインをウェスとスケッチしていて、そのスケッチとほぼ変わらない衣装が映画では最終的に使用された。俳優たちは撮影前にドイツに行き、その場にはミレーナの素晴らしいチームが居て、俳優たちに衣装を次から次へと試させて、ウェスが最終的に衣装を決定していた。結果的にその衣装が、僕らの役柄への想像を膨らませてくれた」と明かした。
ウェス監督と以前にもタッグを組んだウィレムは「今作では、彼は事前に出演者にストーリーをアニメ化して見せてくれた。そのアニメは、すでに何もかも明確にされ、僕はそのアニメを、実写的に受け入れる作業をするだけだった。もちろん、そのアニメは単調で問題点もあったが、アイデアはしっかり理解できるものだった。ウェスは僕ら俳優がいったん参加すると告げれば、俳優を想像して全て衣装や撮影のショットまで、俳優に合わせて仕上げてくるんだ」と感心した。
豪華キャストの中でベルボーイのゼロを演じた新人トニー・レヴォロリについて「彼の方が僕らより才能があるよ! 全く恐怖を感じずにプロの俳優だった。それにスウィートでスマートな俳優だ。彼が映画業界でどう生き残っていくか楽しみだ」とウィレムが答えると、ジェフは「彼はかなりリラックスしていて、楽しみながら演じていた。僕でさえも、彼から学ぶことが多かった」と褒めた。
映画は、衣装、セットデザイン、個性派ぞろいのキャスト、全てが一流のスタッフを、ウェス監督は見事に調理してみせた傑作品。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)