エドガー・ライト監督を直撃!新作『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』を語る
映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』などの人気監督エドガー・ライトが、新作『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(4月12日公開)について語った。
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本作は、幼なじみのアラフォー5人組によるSFコメディー。若い頃に果たせなかった12軒のパブのハシゴに20年ぶりにチャレンジし、伝説のパブ「ザ・ワールズ・エンド」を目指すために故郷の町に戻った彼らだったが、住人の不自然な様子の原因が何者かに操られているためだと気付き、その得体の知れぬ敵に立ち向かっていく。
5人組をサイモン・ペッグ、ニック・フロスト、パディ・コンシダイン、マーティン・フリーマン、エディ・マーサンが演じ、ロザムンド・パイクもマドンナ的存在として出演している。
劇中ではサイモン演じる大人になりきれないゲイリーと、ニック演じる真面目で大人の対応をするアンディが対照的で面白い。「これまで彼らと製作してきた『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』のキャラクターは、永遠に青春時代を過ごしているような役柄だった。そこで今作では、大人になりきれない人の危険性を描きたかった。今作では、5人の中でゲイリーだけが、唯一18歳に戻りたいと思っていて、酒で仲間を自分と同じ感覚にさせようとするが、そんな破滅的なゲイリーを、道徳心からアンディはたしなめようとするんだ」。
今作はかなりセリフが多いが、即興的な演出については「ほぼ0%に近い。今作では、『ショーン・オブ・ザ・デッド』の撮影時も同じだったが、舞台のようなリハーサルを撮影前に全てのシーンで行った。だから出演陣は撮影に来た時は、何をやればよいか事前にわかっている。そして彼らは、あくまで僕とサイモンが共同執筆した脚本に従っていることが多く、即興的なことはないんだ」と明かした。
また、「この映画で使用されている12軒のパブは、実際にあるパブの名前だ。そして、この映画で目指す『ザ・ワールズ・エンド』も英国にはたくさんあり、ロンドンだけでも4軒ある。そのうちの一つは映画館の近くにあって、僕とサイモンが映画を観る前に待ち合わせたり、ニックは2年間断っていた酒を再び飲み始めた場所でもあって、僕らには思い出深い所だ」と語った。
映画は5人の俳優の絶妙な掛け合いと、最後まで飽きることのないライト監督の世界感を存分に楽しめる。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)