「Woman」脚本家・坂元裕二の新作ドラマはAV業界がテーマ!永山絢斗主演でタブーに挑む
テレビドラマ「Woman」「最高の離婚」「それでも、生きてゆく」「Mother」といった話題作を送り出してきた脚本家・坂元裕二がAV業界を真正面から活写する連続ドラマ「モザイクジャパン」が、5月18日よりWOWOWで放送される。演出は「Woman」などで坂元との相性の良さは証明済みの水田伸生監督、主演は映画『ふがいない僕は空を見た』の永山絢斗という布陣で挑む、AV業界に乗っ取られた田舎町を舞台にした社会派エンターテインメントドラマだ。
物語は、主人公・常末理市(永山)がリストラされ、なぜか色めき立つ田舎に戻ったところからスタート。両親の勧めで理市が再就職した「(株)GALAXYZ」は、何とアダルトビデオを手掛ける新鋭企業だった。短すぎるスカートの制服を着た職場の美女たちも実はAV女優で、就業中もオフィス内やトイレなどいたるところで絡みの撮影が行なわれる始末。理市はこのセックス産業で潤う田舎町に巻き込まれ、破滅、成功、絶望、快楽の全てを経験していくことになる。
坂元はAV業界を新作ドラマのテーマにした理由について「このモザイクを消せないものか。テレビ番組作りの原点とは、誰もが興味を持っているけど、誰も知らないことを、誰でも見られる場所にさらけ出すことと考え、アダルトビデオの世界で取材を重ねました」と説明。「幾重にも重ねられたモザイクを消しながらわたしたちが見つけたものは、この国の社会システムそのものでもあります。モザイクとは何か、モザイクの向こうには何があるのかないのか、モザイクをかけているのは誰か、そんなことをこの物語の中で考えていただければと思います」とAV業界ひいては日本社会の暗部を描く本作の狙いを明かした。
これまでも「Woman」「Mother」「さよならぼくたちのようちえん」で坂元とタッグを組み、坂元の着眼点に驚かされ感服してきたという水田監督だが、本作に至っては「感服を超えて、驚愕だわ……」とコメント。「こりゃ、民放地上波では出来ないわ……。やると決めたWOWOWもすごいわ……。わたしは、坂元裕二さんとWOWOWに鍛えられている」と自身にとっても大きな挑戦となっているようだ。
主演の永山は「主人公常末理市が、帰郷し親しかった人々の変化に感じる葛藤や、AV業界で仕事をしていく上で生まれる失望感、恋愛を交えて出る向上心などを誠実に演じたいと思っています」と真摯(しんし)に役に取り組むことを誓っている。その他の出演は、高橋一生、ハマカワフミエなど。坂元が「150分中、140分はWOWOWでしかできないであろうドラマとなりました」と語るに問題作に注目したい。(編集部・市川遥)
連続ドラマW「モザイクジャパン[R15+相当指定]」は5月18日よりWOWOWプライムで放送開始(全5回) 毎週日曜夜11時~