『her/世界でひとつの彼女』の盗作訴訟、スパイク・ジョーンズ監督が勝訴
第86回アカデミー賞で作品賞や脚本賞など5部門にノミネートされたスパイク・ジョーンズ監督最新作『her/世界でひとつの彼女』をめぐる盗作疑惑訴訟で、ジョーンズ監督が実質的に勝訴した。TMZ.comが報じた。
スパイク・ジョーンズ監督映画『her/世界でひとつの彼女』場面写真
ジョーンズ監督を訴えていたのは、脚本家のサーキン・ガッドとジョナサン・センダーの2人。彼らは『her/世界でひとつの彼女』が、自分たちが2011年にCAA(クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー)に送った脚本「Belv」に似ていると思い、訴訟を起こしていた。
「Belv」があるきっかけで携帯電話に命が吹き込まれ主人公の指南役になっていくというストーリーであるのに対し、『her/世界でひとつの彼女』は主人公が人工知能型OSシステムの声に惹(ひ)かれていくというもの。原告側は二つの作品のコンセプトが似ていることに加え、主人公がポケットにBelvを入れて持ち歩くシーンなどが酷似していると主張していた。
しかし、裁判官は二つの脚本のストーリー、キャラクター、テーマ、背景、雰囲気などは異なると判断。『her/世界でひとつの彼女』は思慮深いドラマであるのに対し、「Belv」はコメディーだとして訴訟を棄却し、裁判にはジョーンズ監督が勝った形となった。
『her/世界でひとつの彼女』は、第86回アカデミー賞で脚本賞を受賞している。(澤田理沙)