「悼む人」が高良健吾×石田ゆり子×堤幸彦監督で映画化!
第140回直木賞を受賞したベストセラー小説「悼む人」(著:天童荒太)が、高良健吾と石田ゆり子の共演で映画化されることがわかった。メガホンを取るのは、2012年には同作を舞台化した堤幸彦監督。同作をどうしても映像化したかったという堤監督は「作品に敬意を表しこれまでのわたしなりの撮影手法を一度初期化し『デビュー作』のつもりで挑んでいる」と並々ならぬ意気込みを語っている。
映画『悼む人』は、死者を「悼む」ために全国を放浪している静人(高良)を主人公にした作品。夫を殺した罪を背負いながらも静人と出会い、行動を共にするヒロイン・倖世(石田)のほか、静人の帰りを待つ末期がんの母親、別れた恋人の子供を身ごもる静人の妹、静人を追う人間不信の雑誌記者、そして倖世に殺されたはずの夫など、静人をめぐる人々が織りなすドラマが描かれる。
堤監督から撮影時期の約1年も前からラブコールを送られていたという高良は「台本も原作も読むたびに役の印象が変わる。静人の行動が皆さんにどう映るのか、どう感じるのか、想像がつきません。僕自身、現場に立って毎日探していきます。静人の心に寄り添えるように」とコメント。そんな高良を堤監督は「顔を見ていると撮影イメージがどんどん膨らむ、いつまででも撮影したくなってくる。淡々とした人でありながらわれわれ撮影スタッフの熱を上げる何か魔法のようなものを持っている人だ」と絶賛している。
一方、3年ぶりの映画出演となる石田は「この物語を映像化することがあるのなら、ぜひとも参加したいと切に願いました」と天童にもその思いを手紙で伝えていたほどの原作ファン。「倖世という役は、わたしにとっては、並大抵の想像力では演じられない役です。本当に難しい、本当に深い役です。彼女の苦しみ、悲しみ、そして『悼む人』である静人に出会って、生まれて初めて得てゆく何か。誠心誠意、全身全霊で挑みたいと思います」と誓っている。
堤監督、高良、石田ら映画『悼む人』チームを「絶対の信頼を置くスタッフと、才能と熱意あふれるキャスト」と表現した天童は、「日本の人々、そして世界の人々に、悼む人の言葉が、行動が、魂が、届いていく。この映画によって、観客の心に及ぼす未知の感動が、哀しみの世界を、おだやかに変えてゆく日のことを、静かな祈りをこめて、心待ちにしています」と期待を寄せている。(編集部・市川遥)
映画『悼む人』は2015年全国公開