鬼才ホドロフスキー監督が来日!タロットで観客の悩みを解決?
来日中の映画『エル・トポ』などで知られる鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督が22日、新橋のヤクルトホールで行われた映画『リアリティのダンス』プレミア上映会に出席し、タロットリーディングで観客の悩み相談を行った。
本作はホドロフスキー監督にとっておよそ23年ぶりの監督作。この日は、その新作を一足早く観られる機会かつ、ホドロフスキー監督と対面できるとあって、チケットは即日完売。映画の上映後、客席からは自然と大きな拍手と歓声が湧き起こった。その熱狂を舞台袖で見ていたというホドロフスキー監督は「奥で皆さんの拍手を聞いていて、とてもうれしく思いました。映画を作るのはいつも冒険なのです」と満足気に笑う。
しかし、ここでタロットカードの収集家としても知られるホドロフスキー監督は「わたしがここにいるのは映画のことを話すためではない。配給会社の人から、皆さんの前でタロットをするようにと言われました」と宣言。さっそく会場から選んだ観客の悩み相談を生で実施することになった。
客席から選ばれた1人の女性は「幼稚園の先生になるためのリポートの締め切りが4日後なのにまだ書けてない。わたしはその職業に就けるでしょうか?」と相談。しかしホドロフスキー監督は、占う必要はないとばかりに「先生になりたいなら、勉強すればいいじゃないか。なぜしない?」と不思議そうな表情。別の女性からの「好きな人に告白するべき?」という質問にも、「すればいいじゃないか!」とシンプルに返し、会場を沸かせる。
なかなか占うべき悩みが出てこない中、「首が痛くてどんなセラピーも効かない」という男性が。質問を重ねていくうちに、痛みの原因が、男性の「10年前の母親との別れ」であることを見抜いたホドロフスキー監督は、「あなたは賢くならないといけない。いつでもお母さんに会いに行ってください。そうしたら痛みは消えます。それには友だちの助けが必要です」とアドバイス。「首の痛み」の相談からの、思わぬ展開に男性は「ドキドキしています」と驚いた様子で、観客も「生きる伝説」ホドロフスキー監督の強烈な存在感に完全にノックアウトされた様子だった。(取材・文:壬生智裕)
映画『リアリティのダンス』は7月12日より新宿シネマカリテほか全国順次公開