スピルバーグ、『ミュンヘン』『リンカーン』脚本家と再タッグへ 宗教ドラマを監督か
『プライベート・ライアン』などのスティーヴン・スピルバーグが、『ミュンヘン』『リンカーン』の脚本を手掛けたトニー・クシュナーと再タッグを組むことになったとVarietyが報じた。デヴィッド・カーツァーが1997年に発表したノンフィクション「ザ・キッドナッピング・オブ・エドガルド・モルターラ / The Kidnapping of Edgardo Mortara」を原作にしたもので、スピルバーグの監督作の候補に挙がっているという。
同ノンフィクションは、実在のカトリック教会の司祭エドガルド・モルターラ(1851~1940)の生涯を題材にした作品。ユダヤ人の両親の元に生まれたエドガルドは、緊急洗礼によりカトリック教徒になったため、幼少時に両親の元から連れ去られた。緊急洗礼を授けたのが召使の少女であり、エドガルドの両親の承認を得ていなかったことなどから、エドガルドは強制改宗の被害者として語られることが多い。
スピルバーグは本作で製作総指揮を務める予定だが、監督することも視野に入れているという。多作で知られるスピルバーグだが、2012年の映画『リンカーン』を最後に監督業から距離を置いており、現在も次回監督作については決定していない。本作を監督する場合も、製作が無期限延期になっているSF大作『ロボポカリプス(原題)/ Robopocalypse』、もしくはアステカ征服を題材にした歴史劇『コルテス(原題) / Cortes』の次になる可能性が高いという。
スピルバーグとクシュナーがタッグを組んだ『ミュンヘン』『リンカーン』はいずれも高い評価を得ており、両作ともアカデミー賞を作品賞・監督賞・脚色賞などでノミネート。両作ともスピルバーグの社会派路線を代表する作品だけに、本作にも要注目だ。(編集部・福田麗)