宮沢りえ、デモ騒乱のタイでロケ敢行!角田光代『紙の月』クランクアップ
女優の宮沢りえ主演で直木賞作家・角田光代の同名小説を映画化する『紙の月』が先月30日、タイのバンコクにおいてクランクアップを迎えた。1月27日に東京でクランクインした本作は、3月29日、30日に反政府デモ騒乱で緊張状態にあるタイでのロケを決行。宮沢は自ら申し出て撮影に参加し、無事オールアップを迎えた。
映画『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が、平凡な主婦による巨額横領事件の一部始終を描く本作。宮沢は契約社員として銀行に勤め、年下の大学生と不倫関係を続けるため横領に手を染める主人公・梨花役で出演。相手役の大学生・光太に池松壮亮がふんするほか、小林聡美、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、AKB48の大島優子らが出演する。
松竹の池田史嗣プロデューサーによると、デモが長引くタイの映像は、当初は実景のみになる予定だったという。しかし、宮沢と吉田監督の本作に懸ける熱意は並大抵のものではなく、結果として宮沢の申し出でタイロケを敢行。ちょうどデモによる騒乱が報じられ、万が一の事態も危惧されたという中、作品のために決断を下した宮沢に池田プロデューサーは「心から敬意を表します」とメッセージを送っている。
一方、無事タイでのロケを終えた吉田監督も、宮沢をはじめとするキャストたちの演技を絶賛。「カメラの前で宮沢りえをはじめとする素晴らしい俳優たちが身も心も振り絞って見せてくれた奇跡の全てを、一滴も残さず映画に封じ込めたい! ……そんなテンションで毎日編集中です」と満足気にコメントしている。
そして、当初は2015年公開とされていた本作だが、撮影に手応えを感じた製作側による、可能な限り早く多くの観客に本作を届けたいという意向から、公開が2014年11月に決定。吉田監督は「観客の皆さんはもちろん、誰より僕自身が観たいので、なる早で仕上げて松竹に納品します! お楽しみに」と語っている。(編集部・入倉功一)
映画『紙の月』は2014年11月 全国公開