『舟を編む』松田龍平が主演男優賞!-第23回日本映画批評家大賞授賞式
俳優の松田龍平が28日、シャングリ・ラ ホテル 東京で行われた第23回日本映画批評家大賞授賞式に出席し、辞書作りに挑む人々の姿を描く『舟を編む』が作品賞と主演男優賞(松田)の2部門で受賞したことを受け、「賞をありがとうございます。素晴らしい監督、スタッフ、キャストに影響を受けながらやっていました。ですから僕が賞をいただけるのは実感が湧きませんが、壇上に立ててうれしいです。次の作品もありますし、日々、精進していきたいと思います」と喜びを口にした。
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日本映画批評家大賞は、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、全米批評家協会賞などに倣って1991年に設立された賞。映画評論家の故・水野晴郎さんが、故・淀川長治さん、故・小森和子さんら評論家仲間に呼び掛けて始まり、今年で23回目を迎える。
映画『凶悪』『そして父になる』で助演男優賞に選ばれたリリー・フランキーは、「5年くらい前に45歳で新人賞をもらうという相当うさんくさい状態でしたが。しかも口うるさい、性格の屈折した批評家の方に選んでいただいたのは、励みになりました。それがもう一度呼んでいただけて、少しは恩返しできたかな」と殊勝なコメントで切り出すも、「ところでこの授賞式って、こんなラグジュアリーなイベントでしたっけ? 5年前は公民館でやっていた記憶があるんですが」と付け加え、会場を沸かせた。
さらに『ばしゃ馬さんとビッグマウス』で主演女優賞に輝いた麻生久美子は、「わたしが演じた役は吉田恵輔監督自身をモデルにしたものだったので、それを表現できるのか、毎日プレッシャーで苦しかったです。あるとき、吉田監督が会見で『夢をかなえた自分が夢がかなわなかった人の物語を作るんだから、刺し違えるくらいの気持ちでやらないと』と言っていた言葉が胸に刺さり、あらためて襟を正されました。でも前から吉田監督の大ファンだったので、幸せな時間でした」と晴れ晴れとした笑顔を見せた。(取材・文:壬生智裕)
第23回日本映画批評家大賞主な受賞者・作品は以下の通り
作品賞:『舟を編む』
監督賞:吉田恵輔監督(『ばしゃ馬さんとビッグマウス』)
主演男優賞:松田龍平(『舟を編む』)
主演女優賞:麻生久美子(『ばしゃ馬さんとビッグマウス』)
助演男優賞:リリー・フランキー(『凶悪』『そして父になる』)
助演女優賞:伊藤蘭(『少年H』)
<アニメーション部門>
作品賞:『かぐや姫の物語』
監督賞:高畑勲監督(『かぐや姫の物語』)