『アナと雪の女王』の脚本兼監督を直撃、「Let It Go」がストーリーを変えた!
日本でも大ヒットを続ける話題作『アナと雪の女王』で共同脚本兼共同監督を務めたジェニファー・リーが、ニューヨークのイベントで本作を振り返った。
同作は、触れたもの全てを凍らせてしまう能力によって王国を追い出された姉エルサを救うために、山の男クリストフとトナカイのスヴェンらと共に姉を探し出す旅に出る妹アナの運命を描く。
脚本を手掛けた映画『シュガー・ラッシュ』から本作の製作までの経緯は「『シュガー・ラッシュ』後にカリフォルニアにとどまり、尊敬する映画『リトル・マーメイド/人魚姫』のロン・クレメンツとジョン・マスカー監督が製作するある作品を手伝ったの。ただ契約上、脚本家としてディズニーに雇われず、それ以上関われずにいたときに、今作のプロデューサー、ピーター・デル・ヴェッチョが今作の製作への声を掛けてくれた。その当時は、共同監督のクリス・バックは通常の愛とは異なった観点で本作を進め、当初雇われていた脚本家はアクションアドベンチャー指向で、さらに『償い』を題材に描き、その上エルサは悪役だったの」と驚きの事実を明かした。
途中参加したジェニファーは、そんな脚本をどう変更したのか。「今作で音楽を担当したクリストフ・ベックが、脚本のアクションアドベンチャーがミュージカルコメディーとは合わないと指摘し、その後製作総指揮を務めたジョン・ラセターのもと、2、3週間ごとに新たなアイデアを他の脚本家(クレジットされていない人たち)と共にノートに記して、どのアイデアが良いか選考していくことになったの。そして最終的にジョンは、わたしのアイデアが良いとして、わたしに共同脚本/共同監督を委ねてくれた」と監督を務める経緯も語った。
楽曲「Let It Go」を含めたミュージカルの構成について「作曲家ロバート・ロペスと作詞家クリステン・アンダーソン=ロペスとは毎日2時間半、14か月もビデオで会合しながらミュージカルシーンを完成させたの。実は『Let It Go』を手掛けるまではエルサは悪役だったけれど、どうも感情的に変だと判断して、その時にクリステンからエルサに共感できる曲を作ったらどうかと言われ、その共感を描いた曲からエルサが悪役ではなくなり、エルサのキャラクターも改稿することになったの。つまり、あの曲が全てを変えてしまったわけ」と語った。それだけ衝撃的な曲だったようだ。
最後に彼女は、次回作で実写映画を製作する意向を語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)