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『アンダーカヴァー』のジェームズ・グレイ監督がポーランド移民を描いた映画『エヴァの告白』とは?

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ジェームズ・グレイ監督
ジェームズ・グレイ監督

 映画『裏切り者』『アンダーカヴァー』のジェームズ・グレイ監督が、今週アメリカ公開の新作『エヴァの告白 / The Immigrant』について語った。

映画『エヴァの告白』フォトギャラリー

 本作は、1921年、妹とともにポーランドから新天地アメリカに渡ったエヴァ(マリオン・コティヤール)は、エリス島の入国審査で肺病と診断された妹と引き離され、自身も入国拒否されるが、見知らぬ男ブルーノ(ホアキン・フェニックス)に助けられ強制送還を免れるものの、彼に利用され過酷な運命に翻弄(ほんろう)されていく姿を描くドラマ。

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 ジェームズは今作で初めて時代物を描き、女性を主人公にしている。「叔父シーモアが2010年に亡くなった際、僕の祖父母のエリス島での入国審査の書類やさまざまな写真を残していった。僕はそれらを見ながら、父から祖父母の話を聞き出し、そんな彼らの話がほとんど映画に使用されている。意図的に女性を主人公に時代物を製作しようとは思っていなかったんだ」と答えた。

 エヴァを演じるマリオンの役作りについて「彼女がポーランド語を使う最初の会話シーンで、相手役は実際にポーランド語を話せる女優を起用したため、ワンテイク後にその女優にマリオンのポーランド語はどうかと尋ねたんだ。彼女いわく、マリオンはドイツ語のアクセントでポーランド語を話していたそうで、そのことをマリオンに確認したところ、彼女は『エヴァはドイツとポーランド間にあるシレジア出身だから、そうしているの』と答えたんだ(笑)。そこからは、彼女の演技に全てを委ねたよ」と演技派女優の下準備に圧倒されたようだ。

 撮影監督ダリウス・コンジとのタッグについて「彼とはエリス島について記された書物を図書館で共に読みあさった。その後僕らは1920年代の当時の状況を知る人物と話した際に、当時の冬は寒くて、まきを燃やして部屋を暖めるのに時間が掛かったことを教わった。そこで僕らは、観客がそんな空気感を感じられる映像にしようとした。さらにアシュキャン派(都会の日常を写実的に描いた20世紀初頭の米国の画家たち)の絵画を見て、その中でも特にエベレット・シンの絵画を参考にしたよ」と語った。

 映画は、身を落としていく中でも、強い意思を持ち生き抜こうとするエヴァをマリオンが熱演し、そのエヴァをだまそうとするが、いつの間にかエヴァに惹かれていくブルーノの性(さが)をホアキンは巧みに演じている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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