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テレビドラマでできなくなったことを映画で…売れっ子クリエーター福田雄一が語る

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売れっ子クリエーター福田雄一
売れっ子クリエーター福田雄一

 放送作家として数々のバラエティー番組を手掛ける一方、テレビドラマ「勇者ヨシヒコ」「コドモ警察」シリーズや映画『俺はまだ本気出してないだけ』『HK/変態仮面』、舞台「フル・モンティ」などさまざまなジャンルで活躍するクリエーターの福田雄一が、自身の多岐にわたる活動、さらには現代のテレビドラマ事情について語った。

福田雄一の監督最新作『薔薇色のブー子』フォトギャラリー

 近年、エンタメ界でその名を聞かない日はないといっても過言ではないほど売れっ子の福田だが、「メディアは違うけどやっていることは一緒なので」ときっぱり。軸にしているのは「笑ってもらえるものを作る」ということで、「例えば『勇者ヨシヒコ』はドラマですが、舞台でやっても映画でやってもいいようなものじゃないですか。自分の中で差別化が全然できていないんですよね」とドラマ、映画、舞台といったジャンルへのこだわりはないと明かす。

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 映画では『俺はまだ本気出してないだけ』『HK/変態仮面』と原作ものが続いた福田の最新監督作は、オリジナル脚本の『薔薇色のブー子』だ。少女漫画のような出会いを夢見る女子大生(指原莉乃)が自分を変えて幸せになろうと行動を起こすも、次から次へとあり得ないハプニングに巻き込まれていく姿を描いたドタバタコメディーで、同作のアイデアは指原と初対面の時に福田の頭に浮かんだものだが、これまで「誰もやらせてくれなかった(笑)」という企画だ。

 そんな作品とあって仲間内で「昔のテレビってこういうことやらせてくれたよね」という話を最近よくしているという福田は、「例えばで言うと、(明石家)さんまさんがずっとやっていた『心はロンリー(気持ちは「…」)』っていうドラマシリーズだったり、昔ってキョンキョン(小泉今日子)が『あんみつ姫』とかやっていたじゃないですか。あんなのあったじゃないですか昔。今、ないんですよね」と現代のテレビドラマ事情に言及。

 そうなった理由について「やっぱりゴールデン帯のテレビドラマっていうのが、あからさまにあの時間帯にテレビを観ている視聴者に合わせて作られているからだと思うんですよ。今“各局総テレ朝化”っていわれていますけど、いわゆる刑事ものと医者ものというのが、たぶんあの時間帯にテレビを観ている方たちに一番ヒットするものであるので、それに倣う必要はないんですけど、視聴率を取ることがやっぱりテレビの宿命なので、そうなっていくのも当然のことだし」と分析。「僕はやっぱりテレビの作家だから『そんなだらしない』なんて言う権利もない」と前置きしつつ、「ただ結局そこで何を失ったかというと、僕らが子供のころに観ていた胸躍るようなザ・ドリフターズのコントだったりとか、キョンキョンの『あんみつ姫』みたいな、家族みんなで楽しめるようなコメディードラマだったりが確実に姿を消してしまったわけで」と少し懐かしそうな表情で続けた。

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 今回の『薔薇色のブー子』はまさにそうした姿を消したコメディードラマの系譜の作品だ。「結局じゃあ、そういうものって全部なくなるのっていうのはすごく寂しい話で、だったらやっぱり、ちょっとだけお金払ってもらって、観に来てください! としか言いようがないというか。本当に、本当にいい意味で、日曜の夕方とかにやっていたらすごく楽しい映像だよねって話していたんですよ」と笑った福田。「映画館に行くっていうちょっとご足労かけちゃうんですけど、何か日曜の夕方に家族みんなで観て楽しかったものを、ちょっとだけお金を払ってもらって映画館で観て楽しんでもらうのは、まあ悪くはないかなと思うんですけどね」と作品に込めた思いを明かしている。(編集部・市川遥)

映画『薔薇色のブー子』は5月30日より全国公開
脱力系クリエーター福田雄一スペシャルは映画チャンネルNECOで特集中

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