英語での演技に挑んだ濱田岳、いまだに何の話か理解できていないと告白
俳優の濱田岳が23日、東京・代官山蔦屋書店で行われた日米合作映画『サケボム』の公開記念スペシャルトークイベントに、監督のサキノジュンヤと共に出席し、アメリカでの撮影を振り返った。本作で全編英語での演技に挑んだ濱田が「作品の出来上がりを観たのはアメリカの地で、当然字幕も付いていないから、何の話だったかまだよくわかってないです」と告白すると、サキノ監督は「それでも、演じ切ってしまった。これが濱田岳という役者の図太さ、すごさです」と感嘆した。
本作は、濱田演じる純朴な青年ナオトが、一方的に別れを告げ帰国してしまったアメリカ人の恋人を追って渡米し、現地のいとこと彼女探しの珍道中を繰り広げるロードムービー。「最初は外国の作品に出られるって軽い気持ちだったけど、台本を見たら全部英語だから、横書きの見慣れない形状で、アレって。アメリカンジョークも、どこが面白いのかさっぱりわからない」と濱田。「で、正直な話、僕は英語でお芝居できていたんですかね、監督?」と禁断の質問を口にする。
2000年に映画留学で渡米し、現在はハリウッドで活動しているサキノ監督は「できていましたよ、もちろん。海外の映画祭で(本作を)上映したときにビックリされるのは、彼が本当は英語がしゃべれないと説明したときなんです。英語をしゃべる人が見ても、それがわからないくらい違和感がない演技だってこと。もう世界に通用する役者っていえるんじゃない?」と力強く太鼓判を押す。
そう褒められた濱田だが、いまだ実感が湧かない様子で「相手の役者さんがしゃべらなくなったから、じゃあ俺の番なのかなってしゃべっていただけですが。自分のセリフで相手のアメリカ人がゲラゲラ笑うんだけど、自分のセリフの意味がわからないから、あれはトラウマになりますよ」と言うと、サキノ監督も「それ聞いて、ちょっとガッカリ」と苦笑い。濱田は「でも明日からは、日本で字幕付きで観られるから、やっとスッキリします」と晴れ晴れとした笑顔を見せていた。(取材:岸田智)
映画『サケボム』は5月24日より新宿シネマカリテほかにて全国順次公開