今年20歳の須賀健太、「イメージを壊したい」と挑んだ主演作をアツく語る
「惡の華」などの人気漫画家・押見修造の初期作を映画化した『スイートプールサイド』で主演した須賀健太が、作品への熱い思いと撮影時のエピソードを語った。
思春期特有の「毛」の悩みを描いた青春映画『スイートプールサイド』フォトギャラリー
高校の水泳部を舞台に、思春期特有の「毛」についての少年少女の悩みを描いた青春ストーリーを、映画『男子高校生の日常』などの気鋭の若手・松居大悟が監督・脚本を手掛けた本作。主演の須賀は、大ヒット映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの淳之介などで名子役ぶりを発揮してきたが、そんな彼も今年20歳。「ちょうど(本作出演の)話が来たころは、今までのイメージを壊したいと思っていた」という。
演じるのは高校1年生になっても毛が生えないと悩むヘタレな主人公・太田。刈谷友衣子演じるヒロインの綾子が毛深いことで悩んでいると知ったことから思いがけない関係がスタートする。「刈谷さんはリハーサルのときから、すでに綾子。この作品に必要な、何か言葉にしづらい雰囲気を全て持っている感じだった」と評する。その一方で、彼自身は役づくりに苦労した。「監督はほかのキャストにあれこれ言うのに、僕には『ただ太田として生きてほしい』と言うだけ。本当にどうしたらいいかわからなくなりました」と苦笑する。
中でも物語のハイライト、初めて綾子と二人で河川敷の橋の下に向かうシーンはその最たるもの。「着いたところでカットなのに、監督の声が掛からないから、どうしていいかわからず挙動不審になってしまって。でも、それが太田の心情をうまく表現することにつながったとしたら、監督のおかげですね」。
「演じることの楽しみは、観ていただいた人にレスポンスをもらえること」という須賀。屈託のない笑顔は今も変わらないが、「どの役をやってもハマるけれど、自分の色も出せる生瀬勝久さんや濱田岳さんのような俳優になりたい」と目標を掲げる。5歳で芸能界入りして、早15年の芸歴。これからどんな役者に成長するか楽しみだ。(取材・文:前田かおり)
映画『スイートプールサイド』は6月14日より全国公開